本記事では、脳卒中患者さんの上肢の痙縮、関節可動域制限に対する電気刺激について、システマティックレビュー論文をもとに大局的に見たときの効果を検証します。

最初に本記事のまとめです。

  • 電気刺激は運動障害、痙縮、痛みなどに幅広く利用される
  • 電気刺激に他の療法を組み合わせると痙縮へ効果あり
  • +αで電気刺激を利用したい

脳卒中リハビリにおける電気刺激の役割

脳卒中リハビリテーションにおいて、電気刺激は運動障害の改善、感覚障害の改善、痙縮の改善、関節可動域の改善、痛みの改善などを目的に、幅広く使用されます。

それぞれの後遺症に対し効果があるのか、そして効果を期待するためにはどのような条件で行えば良いかということが研究されてきています。

本記事では痙縮の改善に焦点を当てています。

電気刺激と他の療法を組み合わせると痙縮へ効果あり

Stein Cら(2015)はシステマティックレビューにて、脳卒中患者さんに対する電気刺激(電気刺激のみ、運動と組み合わせない)はそれ以外の介入方法と比べて、痙縮に対して効果があるとは言えないという結果を報告しています。

電気刺激のみ / Modified Ashworth Scale
MD 0.13 (-1.53, 1.78) I2=92%

Stein C, 2015

一方で、電気刺激に運動を組み合わせた場合は、他の介入方法と比べて、痙縮に対して効果があることを報告しています。

電気刺激+他の療法 / Modified Ashworth Scale
MD -0.35 (-0.63, -0.07) I2=80%

Stein C, 2015

これらを踏まえて考えると、基本的には電気刺激+他の療法で介入した方が、痙縮に対しては良さそうです。

+αで電気刺激を利用したい

電気刺激はセラピストの徒手的な介入では再現が難しい刺激を与えることができます。

そして、上記の通り痙縮に対する有効性も報告されています。

有効なのであれば、電気刺激を組み合わせることで患者さんにとってより良いリハビリテーションにしたいですね!

参考文献

Stein C, Fritsch CG, Robinson C, Sbruzzi G, Plentz RD. Effects of Electrical Stimulation in Spastic Muscles After Stroke: Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Stroke. 2015 Aug;46(8):2197-205.