https://youtu.be/juSXGEPy6T0

以前、「脳卒中後の上肢リハビリで大事な3つの評価項目」というテーマでお話しさせていただきました。

そこではFugl-meyer assessmentの上肢項目(以下、FMAUE)、Action Research Arm Test(以下、ARAT)、Motor activity log(以下、MAL)の3つを紹介させていただきました。

今回は、これらを含めて世界のリハビリ介入研究で頻繁に使用されている検査11種類を、Santisteban L (2016) のシステマティックレビューをもとに紹介させていただきつつ、なぜそれらが大事なのか、という点について説明します。

脳卒中後の上肢リハビリで大事な検査11選

最初にSantisteban L (2016) のシステマティックレビューの概要を紹介します。

この研究では、成人の脳卒中患者さんの上肢リハビリの効果を検証した介入研究において、どのような検査が使用されているのかを調査することを目的にシステマティックレビューが実施されています。

2004年から2015年までに出版された介入研究を対象に、Pubmed、CINAHL、PEDroといった複数の電子データベースを利用し、検索しています。

検索結果として、取り込まれた研究は477件でした。

これらの研究の中で、どういった検査が利用されているのかを集計しました。

結果として、48種類の検査(アウトカム指標)が利用されていることが発見されました。

この研究では、このうち利用頻度が比較的高かった15項目の検査をピックアップしているのですが、このうち4つはfMRI、TMSなど臨床でセラピストが自由に扱うことができない検査なので、この4つを除いた11項目について紹介します。

11項目は次のとおりです。

  1. FMAUE
  2. Modified Ashworth Scale
  3. Force Control(握力など)
  4. 関節可動域
  5. Wolf Motor Function Test
  6. Action Research Arm Test
  7. Motor activity log
  8. Box and Block Test
  9. Motor Assessment Scale
  10. Nine Hole Peg Test
  11. Jebsen Taylor Hand Test

ICFでいう心身機能・身体構造面の検査が1.〜4.で、活動の検査が5.〜11.です。

なお、FMAUEに至っては圧倒的に利用頻度が高く、全体の36%の研究で利用されていました。

介入研究の3件に1件はFMAUEを使用しているということになり、とても高い頻度で遭遇する検査です。

国内ではまだBrunnstrom Recovery Stageが主流かもしれませんが、なるべく早くFMAUEに移行していった方が良いのではないかと思います。

なぜこれらの検査が大事なのか

Evidence Based Practiceでは、エビデンスに基づいてリハビリのプログラムを立てていきます。

そのときに、介入研究を参考にリハビリプログラムを立てていくことが多いです。

介入研究で使われている検査指標を利用することで、患者さんの予後予測が行いやすくなります。

例えば課題指向型訓練を4週間行うことでFMAUEのスコアが40点→45点になったという介入研究をもとにリハビリプログラムを立てる場合、自分の患者さんもFMAUEを撮っていると、簡単に予後予測できます。

このケースだと、自分の担当患者さんもFMAUEスコアが40点くらいであれば、課題指向型訓練を行うことで4週間後に45点になっているだろう、ということが予想できます。

そうするとShared Decision Makingで患者さんにリハビリの紹介、メリットとデメリットの説明をするときにも説明しやすくなります。

要は患者さんが意思決定しやすいように支援することにもつながります。

つまり、一般的にリハビリの介入研究で使われている検査を自分も使用することでEBPはとても行いやすくなります。

こういった理由で、世界で標準的に使われている検査を自分も使う、ということが大事になります。

EBPの入口は検査の理解!

本日は11種類の検査を紹介させていただきました。

ただ、検査セットを購入しないといけないものもあり、全てをすぐに導入することは難しいと思います。

ARATやBBT、9HPTなどは購入しないといけません。

一方、FMAUE、Modified Ashworth Scale、MALなどは費用かからずすぐに導入できるので、まずは手軽に導入できるものから検討してみてはいかがでしょうか!

参考文献

Santisteban L, Térémetz M, Bleton JP, Baron JC, Maier MA, Lindberg PG. Upper Limb Outcome Measures Used in Stroke Rehabilitation Studies: A Systematic Literature Review. PLoS One. 2016 May 6;11(5):e0154792.