このページは、第24回日本神経理学療法学会学術大会での発表「慢性期重度・中等度上肢麻痺3例に対するTOT-S1セッション後の自動関節可動域変化 ─ ケースシリーズ」(演題番号 P91-4/2026年9月6日)の補足資料です。

発表時間内では示しきれない、実際の動きの様子を動画で掲載しています。

はじめにお読みください

この報告は、TOT-Sの効果を検証したものではありません。

対照群を置かず、1回のセッションの前後を、担当者1名が測定した観察報告です。

ここで見られた変化が、TOT-Sによって起きたものかどうかは、この報告からは判断できません。

変化がどのくらい続くのかも分かっていません。

3症例の記録

いずれも発症から6か月以上が経過した慢性期の方です。

TOT-Sを20〜30分、1セッション実施し、その前後を比較しました。

症例1(66歳・発症11か月)

測定した関節肘関節の伸展
測定方法背臥位で肩関節90°屈曲位をとり、測定者が上腕を保持した状態で、肘の自動伸展角度を角度計で測定しました。
肘を100°曲げた位置からの自動伸展0° → 100°(完全に伸びる位置まで)
FMA-UE 合計点(66点満点)5 → 7

症例2(49歳・発症17か月)

測定した関節手関節の背屈
測定方法背臥位で前腕を回内位(手のひらを下に向けた向き)にとり、測定者が前腕を保持した状態で、手首の自動背屈角度を角度計で測定しました。
手首を40°曲げた位置からの自動背屈0° → 40°(中間位まで)
FMA-UE 合計点(66点満点)16 → 17

症例3(61歳・発症7か月)

測定した関節手指の集団伸展
測定方法座位で前腕を回内位にとり、指先と手のひらの距離の変化から、人差し指から小指をそろえて伸ばせる範囲を測定しました。
人差し指〜小指をそろえて伸ばす範囲約20〜30° 拡大
FMA-UE 合計点(66点満点)31 → 32

3例とも、対象とした関節の自動運動の範囲が広がり、FMA-UEにも変化がみられました。

有害事象は認められませんでした。

この報告の限界

  • 対照群がありません。比較する条件を置いていないため、変化がTOT-Sによるものかは判断できません。
  • 3例のみの報告です。ほかの方に同じことが起きるかは分かりません。
  • 測定したのは担当者1名です。誰が測るかによる差を検討していません。
  • 測定者は、どちらが介入前・介入後かを知った状態で測定しています(非盲検)。
  • 1セッション直後のみの記録です。変化がどのくらい続くのかは分かっていません。
  • TOT-Sは当施設独自の方法で、外部に公表されたエビデンスはありません。

今後は、比較する条件を設けた前向きの研究によって検証していく必要があります。

発表情報

学会第24回日本神経理学療法学会学術大会
演題番号P91-4(ポスター・フリーディスカッション)
日時・会場2026年9月6日(日)13:50〜14:35/第10会場(12F 1202)
演題名慢性期重度・中等度上肢麻痺3例に対するTOT-S1セッション後の自動関節可動域変化 ─ ケースシリーズ
発表者針谷 遼(株式会社BRAIN)

掲載についてのお断り

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