Aachen Aphasia Test(以下、AAT)は世界で標準的に使われている失語症の検査です。

これは失語症領域に限らず、理学療法領域、作業療法領域でも同じですが、Evidence Based Practice(以下、EBP)やEvidence Based Medicine(以下、EBM)を進める上では、世界で使用されている検査を使うことが大事です。

▶︎詳しくはこちら
https://brain-lab.net/evidence/for-patient/swallow/1-77/

日本国内では失語症の検査として、Standard Language Test of Aphasia(以下、SLTA)やWestern Aphasia Battery (以下、WAB)の日本語版、そして機能的コミュニケーションのアウトカムとしてCommunicative Abilities of Daily Living (以下、CADL)がよく使われていると思います。

ただ、CADLは、世界の失語症リハビリの研究(ランダム化比較試験)では近年ほとんど使われていないですし、SLTAについては全く使われていません。

SLTAについては日本人のための検査なので、世界で使われていないのは当たり前ですが…

一方、海外では失語症の検査としてWAB以外に、本日紹介するAATがよく使われています。

AATを知っておくと、海外の失語症のリハビリ研究論文を読むときに、AATスコアの変化を見て何がどれくらい良くなるのかがわかるようになります。

私が知る限り、AATは日本語訳がないので、調べるのが大変だと思います。

先日、BRAINアカデミーの嚥下・高次脳機能コースの中で私が調べる機会がありましたので、調べたことを共有させていただきます。

失語症リハビリに携わる先生のお役に立てれば嬉しいです。

脳卒中の失語症検査:Aachen Aphasia Test

AATは、失語症の重症度を見るための検査です。

下記の6つのテストパートに分かれています。

①自発的な言語
②トークンテスト
③復唱
④書字
⑤呼称
⑥理解度

BRAINアカデミー 嚥下・高次脳機能コース資料より抜粋
BRAINアカデミー 嚥下・高次脳機能コース資料より抜粋

①自発的な言語、②トークンテストについては採点方法が特殊ですが、それ以外の項目は30点が満点になります。

①自発的な言語については0〜5の6段階で評価し5が一番良い状態を示します。

②トークンテストについてはエラー数でカウントし、0〜50で点数をつけます。

エラー数は少ない方がいいので、0がもっとも良い状態を指します。

Aachen Aphasia Testの規範的データ

Miller K (2000) がAAT英語版の規範的データを報告しています。

在宅生活を送っている失語症がない人の場合、各検査でほぼ満点になります。

一方、失語症がある患者さんは各検査で点数が下がります。

Miller K (2000) より引用改変
Miller K (2000) より引用改変
Miller K (2000) より引用改変

世界で使われている検査を知っておこう!

これは言語聴覚療法の領域に限らないのですが、EBPやEBMをちゃんとやっていこう、高いレベルでやっていこうとするなら、まずは検査を世界基準にしておくことが大事です。

失語症の検査ではWABやAAT、以前紹介したAmsterdam-Nijmegen Everyday Language Test(以下、ANELT)が使用されていることが多いです。

▶︎詳しくはこちら
https://brain-lab.net/evidence/for-patient/higher/1-84/

まずはこれらを理解しておくことが、患者さんへより良いリハビリを提供することにつながります!

皆様のリハビリに役立つ情報になれば幸いです。

本日は「脳卒中の失語症検査:Aachen Aphasia Test」というテーマでお話しさせていただきました。

ADVANCED COURSE | 基礎
エビデンスに基づく脳卒中リハビリを、
体系的に学ぶ。
評価・目標設定・介入の選び方を、査読付きエビデンスと結びつけて体系的に学ぶオンライン講座「BRAINアカデミー」。失語・嚥下・高次脳機能を含む脳卒中リハの土台を、職種を問わず学べます。
動画教材 / 課題 / 講師フィードバック
ベーシックコースを見る →
毎月1日開講・いつでもエントリー可能
オンライン/PT・OT向け/BRAINアカデミー

それでは今日もリハビリ頑張っていきましょう!

脳卒中後の不安、ひとりで抱えていませんか?

退院後の生活やリハビリのこと、迷うことも多いと思います。

国内保有率3%以下の脳卒中認定理学療法士に、LINEで気軽に無料相談いただけます。

LINEで気軽に相談する(無料)

参考文献

N. Miller, K. Willmes & R. De Bleser (2000) The psychometric properties of the English language version of the Aachen Aphasia Test (EAAT), Aphasiology, 14:7, 683-722,