
「発症から1年経ってしまったから、もうリハビリしても良くならないのでは」と感じている方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、生活期 リハビリ(発症1年以降の維持期リハビリ)でも、適切な内容と量を確保すれば運動機能や歩行能力は改善することが、複数の研究で報告されています。
「6ヶ月で回復が止まる」という言葉は、医療現場でも長く語られてきましたが、近年の研究では発症1年・2年・5年以上経った方でも改善が確認されています。
この記事では、「発症1年以降でも改善が報告されている介入」「維持期・生活期リハビリの位置づけ」「介護保険サービスの限界と自費リハビリという選択肢」「目標設定と家族のサポート」まで、当事者とご家族が知っておきたい情報を1つにまとめて解説します。
脳卒中専門リハビリ施設BRAINの代表で理学療法士の針谷が、臨床経験と研究論文に基づいて解説します。
・医学的な根拠は、PubMedに収載された信頼性の高い研究論文から引用しています。
・本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的助言を代替するものではありません。
・リハビリの方針は、必ず主治医・担当セラピストとご相談のうえ決定してください。
1つでも当てはまれば、すぐに救急車を呼んでください(Time is brain)。
再発の前兆かもしれない「一過性脳虚血発作(TIA)」も同じ対応が必要です。
「6ヶ月で回復が止まる」は本当か?最新の研究から見る神経可塑性
多くの方が「脳卒中の回復は6ヶ月で頭打ちになる」と聞いたことがあると思います。
この言葉は半分本当で、半分は誤解を含んでいます。
「6ヶ月説」の元になった研究
2003年に発表された研究では、急性期に重い麻痺だった方の手の巧緻性回復のうち、大半は発症から6ヶ月までに起こることが示されました(Kwakkel, 2003)。
これは「自然回復のスピード」を見たデータで、特別なリハビリを受けていない場合の回復経過です。
つまり、6ヶ月以降は「自然に勝手に良くなるペースが落ちる」というのが本来の意味であって、「リハビリしても効果がない」という意味ではありません。
「1年経っても改善する」を示した近年の研究
2019年に発表された研究では、発症から中央値18ヶ月(つまり1年半経過した方)の慢性期脳卒中患者224名に対して、3週間で合計90時間の集中的な上肢リハビリを実施しました(Ward, 2019)。
介入:3週間(合計90時間)の集中的な上肢リハビリ
結果:上肢運動機能の評価指標FMA-UE(66点満点)が中央値26点から37点へ +11点改善。ARATも18点から27点へ改善。
追跡:6ヶ月後も改善が維持され、一部の方は更に改善した。
これは「6ヶ月で固定する」という従来の見方を覆す重要な結果です。
2011年に発表された「発症6ヶ月以降の脳卒中患者に対するリハビリ効果」を複数の研究をまとめた分析でも、慢性期にリハビリを継続した群は何もしなかった群に比べて、歩行速度や日常生活動作が有意に改善することが報告されています(Ferrarello, 2011)。
「もう良くならない」と言われた方でも、適切な評価と十分な訓練量を確保することで、歩行スピード・手の使い方・日常動作が改善するケースを多数経験しています。
大切なのは「時間が経ったから無理」と諦めるのではなく、残された神経可塑性を引き出すための介入を選ぶことです。
維持期・生活期リハビリの位置づけ
脳卒中のリハビリは、発症からの時期によって大きく3つに分けられます。
② 回復期(発症2週間〜6ヶ月):回復期リハビリ病院で集中的に訓練。最大入院期間は脳血管疾患で150日(高次脳機能障害があれば180日)。
③ 維持期・生活期(発症6ヶ月以降):自宅・施設での生活を中心に、外来リハビリ・通所リハビリ・訪問リハビリ・自費リハビリを組み合わせて継続。
「維持期」と「生活期」の違い
「維持期」と「生活期」は、ほぼ同じ意味で使われています。
以前は「これ以上良くならないから機能を維持する時期」という意味で「維持期」と呼ばれていました。
しかし「ただ維持するだけ」というニュアンスが実態と合わなくなり、近年は「生活期」という呼び方が主流になっています。
本記事では一般的に通じやすい「維持期・生活期」と併記して扱います。
維持期・生活期リハビリの目的
維持期・生活期リハビリの目的は、大きく分けて次の3つです。
- ① 機能の維持・改善:歩行能力・上肢機能・体力の維持と、可能な限りの向上
- ② 廃用症候群の予防:動かない時間が増えることで起こる筋力低下・関節拘縮・心肺機能低下の予防
- ③ 生活範囲の拡大:自宅内から屋外へ、屋外から社会参加へと活動範囲を広げる
退院後の生活全般を整える方法は、別記事の退院後の脳卒中リハビリ完全ガイドでも詳しく解説しています。
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1年以降でも改善が報告されている介入
発症1年以降の方でも、研究で改善が報告されている主な介入を紹介します。
① 課題指向型訓練(タスクオリエンテッドトレーニング)
「コップを取る」「ボタンを留める」「歩いて目的地まで行く」など、実生活の動作そのものを繰り返し練習する方法です。
2025年に発表された研究では、発症6ヶ月以上経過した中等度〜重度の上肢麻痺がある方76名に、6週間で30時間の課題特異的訓練を実施した結果、FMA-UE(上肢運動機能スコア)が平均5.7点改善しました(King, 2025)。
「実生活で使う動作を、十分な量繰り返す」というシンプルな原則が、慢性期でも機能改善につながることを示しています。
② CI療法(CIMT・拘束誘発運動療法)
麻痺していない側の手を一時的に使えなくして、麻痺側の手を強制的に使う方法です。
2024年に発表された慢性期脳卒中のCI療法の効果を複数の研究をまとめた分析では、対象研究の一部は発症1年以上経過した方を含んでおり、上肢機能の評価指標で改善が確認されています(Sanchez, 2024)。
CI療法は「ある程度麻痺側の手で物がつかめる」レベルの方が適応になります。
③ ロボット支援療法
麻痺側の手や脚に装着したロボットが動きを補助しながら、反復練習を行う方法です。
2016年に発表された米国退役軍人病院での研究では、発症6ヶ月以上経過した中等度〜重度の上肢麻痺がある127名に対し、ロボット支援療法と集中的な徒手療法を比較したところ、慢性期でもFMA-UEが平均4点改善しました(Wu, 2016)。
同じ研究の中で、「慢性期内でも発症からの期間が短いほど長期的な改善が大きい」傾向も示されました。
④ 電気刺激療法(NMES・FES)
麻痺した筋肉に電気刺激を与えて、筋収縮を起こさせる方法です。
2019年に発表された筋電トリガー型電気刺激の効果を複数の研究をまとめた分析では、慢性期の方が亜急性期よりも効果量が大きいという、興味深い結果も示されています(Monte-Silva, 2019)。
これは「介入の種類によっては、慢性期でも反応性が高い」ことを示しており、「6ヶ月を過ぎたら遅い」という見立てに反する重要なデータです。
⑤ 反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)
頭の上から磁気で脳を刺激し、神経の働きを整えてからリハビリを行う方法です。
2012年に発表された研究では、発症から平均1.84年(約22ヶ月)経過した慢性期脳卒中患者に対し、rTMS+課題指向型訓練を週5回×2週間実施した結果、下肢運動機能と歩行速度が偽刺激群よりも有意に改善しました(Wang, 2012)。
rTMSは保険適用外のため、現状は自費リハビリ施設や一部の専門医療機関で実施されています。
⑥ BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)
脳波を読み取り、患者本人の「動かそう」という意図に合わせて装具やロボットが手を動かす最新技術です。
「自分で手を動かしている」という感覚を伴いながら反復練習できるため、重度麻痺の方でも神経可塑性が引き出されやすいと考えられています。
BMIは現状、保険診療の対象外で、研究施設や一部の自費リハビリ施設で導入されています。
発症から1年以上経った方でも、「指がほんの少し動くようになった」「コップを持てるようになった」というケースは珍しくありません。
大切なのは「適応がある介入を選ぶこと」と「十分な量を確保すること」。この2つが揃えば、慢性期でも変化は起こります。
維持期に効果を出すためのリハビリの条件
慢性期・維持期で改善を引き出すには、リハビリの「内容」と「量」に共通点があります。
条件① 十分な訓練量を確保する
前述のQueen Square試験では、3週間で合計90時間という非常に高密度な訓練が行われていました(Ward, 2019)。
1日あたり約4〜5時間、週5日のペースです。
これは介護保険の通所リハビリ(週1〜2回、1回1〜2時間)と比べると、10倍以上の訓練量に相当します。
研究で示されている効果を再現するには、それなりの「量」が必要だということです。
条件② 課題特異性を持たせる
「手の体操をする」よりも、「実際にコップを持つ」「ボタンを留める」など、目的のある動作を繰り返すほうが効果が高いことが、複数の研究で確認されています。
「歩行速度を上げたい」なら歩く練習、「箸を使いたい」なら指先で物をつまむ練習、というように、目標と訓練内容を一致させることが重要です。
条件③ 難易度を適切に調整する
簡単すぎる課題では脳が学習しません。
逆に難しすぎる課題では達成感が得られず、続きません。
「8割成功・2割失敗」くらいの難易度が、神経学的な学習が最も起きやすいレベルとされています。
担当セラピストと相談しながら、段階的に難易度を上げていくのが理想です。
介護保険サービスでの維持期リハビリの限界
発症6ヶ月以降は、医療保険のリハビリは原則として終了し、介護保険のリハビリへ移行します。
40歳以上で脳血管疾患のある方は、介護保険が利用できます。
介護保険のリハビリサービスの種類
- 通所リハビリ(デイケア):施設に通って、医師の指示のもとリハビリを受ける
- 訪問リハビリ:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が自宅に訪問する
- 通所介護(デイサービス):機能訓練指導員による軽度のリハビリ・運動
- 短期入所療養介護(ショートステイ):短期間の入所中にリハビリを受ける
介護保険サービスの「量」の限界
・訪問リハビリ:週1〜3回、1回20〜60分
・要介護度に応じて利用限度額が決まり、超過分は全額自己負担
・1回あたりの個別訓練時間は20〜40分程度が一般的
研究で改善が示されている訓練量(Queen Square試験:90時間/3週間)と比べると、介護保険サービスだけで研究レベルの量を確保することは現実的に困難です。
「機能改善より維持」を目的とした制度設計
介護保険のリハビリは、「機能を維持し、現在の生活を支える」ことを主目的とした制度です。
機能改善を強く目指す方にとっては、訓練の頻度・1回あたりの個別時間・専門性の面で物足りなさを感じる場合があります。
これは制度の優劣ではなく、設計目的の違いです。
一方で、「もっと改善したい」「歩けるようになりたい」「手を使いたい」と強く望む方には、介護保険サービスに加えて自費リハビリを組み合わせる選択肢を提示することがあります。
「介護保険か自費か」の二者択一ではなく、目的に応じて使い分け・組み合わせるのが現実的です。
自費リハビリという選択肢
自費リハビリとは、公的保険を使わず、全額自己負担で受けるリハビリです。
近年、脳卒中専門の自費リハビリ施設が全国に増えています。
自費リハビリの特徴
- 1回あたりの個別訓練時間が長い(60〜120分の完全マンツーマンが多い)
- 頻度を自由に設定できる(週2〜5回など、目的に応じて高頻度実施が可能)
- 制度上の制限がない(発症から何年経っていても受けられる)
- 専門設備の導入(TMS・BMI・ロボット・電気刺激などの最新技術を導入する施設もある)
- 料金は施設により異なる(1回あたり1万〜3万円程度が相場)
自費リハビリが向いている方
- 介護保険のリハビリだけでは物足りない方
- 「もっと歩けるようになりたい」「手を使えるようになりたい」と明確な目標がある方
- 発症1年以上経って、保険のリハビリが終了した方
- 復職・運転再開・趣味復帰など、達成したい具体的なゴールがある方
自費リハビリ選びのチェックポイント
- 担当セラピストの専門性(脳卒中認定理学療法士などの専門資格があるか)
- 使われる評価指標(FMA-UE・10mWT・6MWTなど、研究で使われる指標で測定しているか)
- 研究エビデンスに基づく方針(最新の論文に基づいて訓練内容を選んでいるか)
- 体験リハビリの提供(自分に合うか試せるか)
- 料金体系の明確さ(事前に総額が分かるか)
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目標設定の考え方|評価指標と達成感
維持期・生活期リハビリで一番大切なのは、「何を目指すか」を明確にすることです。
「治る/治らない」ではなく「何がしたいか」で考える
慢性期になると、「完全に元通り」を目指すよりも、「自分にとって大切な活動を取り戻す」という発想が重要になります。
例えば、こんな目標です。
- 「孫と公園まで歩いて行きたい」
- 「自分でお風呂に入れるようになりたい」
- 「箸でご飯を食べたい」
- 「妻と旅行に行けるようになりたい」
- 「もう一度仕事に戻りたい」
こうした「具体的で、自分が大事だと思える目標」は、リハビリへのモチベーションを大きく高めます。
客観的な評価指標で「変化」を見える化する
慢性期の改善は、1ヶ月単位では実感しにくいことが多いです。
そのため、客観的な評価指標で数字を残しておくと、3ヶ月後・半年後に「確かに良くなっている」と実感できます。
上肢機能:Fugl-Meyer Assessment上肢(FMA-UE)、Action Research Arm Test(ARAT)、Motor Activity Log(MAL)
バランス:Berg Balance Scale(BBS)
ADL:Barthel Index(BI)、Functional Independence Measure(FIM)
QOL:Stroke Impact Scale(SIS)
3ヶ月ごとに同じ評価指標を測って記録することで、自分の変化が客観的に見えるようになります。
達成感を積み重ねる小ステップ法
大きな目標(例:「公園まで歩く」)は、いきなり達成できません。
小さなステップに分けて、1つずつクリアしていくのがコツです。
- ステップ1:玄関まで歩く
- ステップ2:家の前まで出る
- ステップ3:隣の家まで歩く
- ステップ4:100m先のコンビニまで歩く
- ステップ5:公園まで歩く
達成のたびに「できた」を実感することで、次への意欲が生まれます。
家族ができるサポート
維持期・生活期は、本人だけでなく家族の関わり方も重要になります。
① 「やってあげる」より「一緒にやる」
家族としては、本人が苦戦している姿を見ると、つい先回りして手伝いたくなります。
しかし「やってあげる」を続けると、本人の使う機会が減り、機能が落ちる原因になります。
時間がかかっても、できるだけ「本人がやる」「家族は見守る・少しだけ介助する」を意識してください。
② 小さな変化を見つけて言葉にする
「前より歩くのが速くなった」「ボタンが留められるようになった」など、家族から見た小さな変化を言葉にして伝えることは、本人の大きな励みになります。
本人自身では気づきにくい変化を、最も近くで見ている家族が拾い上げてあげてください。
③ 疲労管理と再発予防の声かけ
脳卒中後の疲労は、見た目では分かりにくく、本人も気づかないまま無理を重ねてしまうことがあります。
「今日は疲れた顔をしているね、少し休もうか」など、家族が休息を促す声かけも大切な役割です。
脳卒中後の疲労については、別記事の脳卒中の疲労|疲れやすさの原因と対処法で詳しく解説しています。
再発予防の生活習慣については、脳卒中の再発予防|食事・運動・薬で何ができるかもあわせてご覧ください。
④ 歩行や動作の癖が気になったら専門家に相談
歩き方の癖(ぶん回し歩行など)や、杖の使い方が気になったら、専門家に相談するのが安全です。
歩行の癖については、ぶん回し歩行の原因と改善方法もご参照ください。
杖の卒業を考えるタイミングについては、杖を卒業するタイミングで詳しく解説しています。
BRAINからの臨床コメント
BRAINでは、発症から1年以上経った方の改善ケースを多数経験しています。
例えば、こんなご利用者の声があります。
- 「発症3年で、まったく動かなかった指がほんの少し動き始めた」
- 「発症1年半で、屋外を杖なしで歩けるようになった」
- 「発症5年経って諦めていたけど、再び箸で食事できるようになった」
もちろん、全員がここまでの改善を得られるわけではありません。
麻痺の重症度・脳の損傷部位・発症からの期間によって、改善の幅は人それぞれです。
ただし、「1年経ったから無理」と最初から決めつけてしまうのは、本来引き出せたはずの可能性を閉ざすことになります。
研究では、発症1年・2年・5年経っても、神経の可塑性は完全には失われていないことが分かっています。
必要なのは「適切な介入」と「十分な量」、そして「諦めない気持ち」。
BRAINは、「まだ良くなりたい」と思うすべての方に、研究エビデンスに基づいた最適な選択肢を提示することをお約束します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 発症から1年以上経っていますが、本当に改善する可能性はありますか?
はい、複数の研究で改善が報告されています。
2019年に発表されたQueen Square試験では、発症から中央値1年半経過した方でも、3週間の集中リハビリで上肢機能が改善しました(Ward, 2019)。
ただし、改善の幅は麻痺の重症度や脳の損傷部位によって異なります。
Q2. 介護保険のリハビリだけで十分でしょうか?
「機能を維持する」目的であれば、介護保険のリハビリで十分なケースが多いです。
一方で「もっと改善したい」「歩けるようになりたい」と強く望む方は、介護保険サービスに加えて自費リハビリを組み合わせる選択肢があります。
目的に応じて使い分けるのが現実的です。
Q3. 自費リハビリの料金相場は?
施設・地域・設備によって幅がありますが、1回あたり1万円〜3万円程度が一般的です。
60〜120分の完全マンツーマンが多く、頻度は週1〜3回が標準的です。
多くの施設では体験リハビリを提供しているため、料金体系と内容を事前に確認することをおすすめします。
Q4. 5年以上経っていますが、今からでも遅くないですか?
「遅すぎる」ということはありません。
2011年に発表された複数の研究をまとめた分析では、発症6ヶ月以降にリハビリを継続した群で、歩行速度や日常生活動作が改善することが示されています(Ferrarello, 2011)。
BRAINでも、発症5年以上経過した方の改善ケースを複数経験しています。
Q5. 自宅でできる維持期リハビリはありますか?
あります。
研究で重視されているのは「課題特異性」と「十分な量」なので、実際の生活動作を意識的に繰り返すことが自宅でも有効です。
例:朝晩のコップでの飲水、ボタンの開閉、屋内歩行の歩数を毎日カウント、麻痺側を意識して使う。
担当セラピストと一緒に「自宅練習メニュー」を作るのが理想です。
まとめ
- 「6ヶ月で回復が止まる」は自然回復のペースの話で、リハビリ効果がなくなるという意味ではありません。
- 2019年のQueen Square試験では、発症1年半経過した慢性期の方でも、3週間の集中リハビリで上肢機能が大きく改善しました。
- 1年以降でも改善が報告されている介入には、課題指向型訓練・CI療法・ロボット支援療法・電気刺激療法・rTMS・BMIなどがあります。
- 効果を出すためのカギは「十分な訓練量」「課題特異性」「適切な難易度」の3つです。
- 介護保険のリハビリは「機能維持」が主目的で、研究で示される改善効果を再現するには量が足りない場合があります。
- 機能改善を強く望む方には、介護保険サービスに加えて自費リハビリを組み合わせる選択肢があります。
- 目標は「治る/治らない」ではなく「自分にとって大切な活動を取り戻す」という発想で立てるのが効果的です。
- 家族は「やってあげる」より「一緒にやる」を意識し、小さな変化を言葉にして本人の励みにしてください。
記事内で紹介する介入の適応・効果は、麻痺の重症度・脳の損傷部位・発症からの期間など個別条件によって異なります。
実際のリハビリの方針は、必ず主治医・担当セラピスト・医療機関にご相談のうえ決定してください。
本記事は医学的助言を代替するものではありません。
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参考文献
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- Ferrarello F, Baccini M, Rinaldi LA, et al. Efficacy of physiotherapy interventions late after stroke: a meta-analysis. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2011;82(2):136-43. PMID: 20826872
- King EC, Schauer JM, Prabhakaran S, et al. Priming and task-specific training for arm weakness post stroke: A randomized controlled trial. Ann Clin Transl Neurol. 2025;12(2). PMID: 39688835
- Sanchez L, et al. Effectiveness of constraint-induced movement therapy (CIMT)-Telerehabilitation compared to traditional CIMT on upper extremity dysfunction of adult chronic stroke patients – A systematic review and meta-analysis. Physiother Res Int. 2024. PMID: 38685678
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- Monte-Silva K, Piscitelli D, Norouzi-Gheidari N, et al. Electromyogram-Related Neuromuscular Electrical Stimulation for Restoring Wrist and Hand Movement in Poststroke Hemiplegia: A Systematic Review and Meta-Analysis. Neurorehabil Neural Repair. 2019;33(2):96-111. PMID: 30704366
- Wang RY, Tseng HY, Liao KK, Wang CJ, Lai KL, Yang YR. rTMS combined with task-oriented training to improve symmetry of interhemispheric corticomotor excitability and gait performance after stroke. Neurorehabil Neural Repair. 2012;26(3):222-30. PMID: 21974983
- Kwakkel G, Kollen BJ, van der Grond J, et al. Probability of regaining dexterity in the flaccid upper limb: impact of severity of paresis and time since onset in acute stroke. Stroke. 2003;34(9):2181-6. PMID: 12907818
最終医療レビュー日:2026年5月15日

