
脳梗塞とは、脳の血管が詰まって脳の細胞が壊れてしまう病気です。
ご家族が突然倒れて病院に運ばれ、医師から「脳梗塞です」と告げられた直後にこのページを開いた方も多いと思います。
「どんな病気なのか」「なぜ起きたのか」「これからどうなるのか」を、医学知識がなくても分かるように1ページにまとめました。
この記事では、脳梗塞とは何か、3つのタイプ、主な原因、症状、発熱との関係、後遺症、治療の流れを、当事者とご家族が今いちばん知りたい順番で解説します。
脳卒中専門リハビリ施設BRAINの代表で理学療法士の針谷が、臨床経験と研究論文に基づいて解説します。
・医学的な内容は、PubMed掲載の研究論文と厚生労働省・日本脳卒中学会の公式情報をもとに記載しています。
・本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療を代替するものではありません。
・症状が出ているときは、迷わず119番に通報してください。
1つでも当てはまれば、すぐに救急車を呼んでください(Time is brain:時間は脳)。
家族が運転して連れて行くより、救急車で搬送されたほうが早く治療が始まります。
症状が一時的に消えても「一過性脳虚血発作(TIA)」の可能性があり、48時間以内に本格的な脳梗塞に進む方が一定数いるため、同じく救急対応が必要です。
リハビリの無料体験を実施中!
といった方から選ばれています!
脳梗塞とは?わかりやすく解説
脳梗塞とは、脳の血管が詰まって、その先にある脳の細胞に酸素と栄養が届かなくなる病気です。
脳の細胞は酸素が止まると数分から数時間で死んでしまうため、一度壊れた部分は元には戻りません。
そのため、壊れた脳の場所と大きさによって、手足の麻痺・言葉が出ない・物が見えない・飲み込めない、といった症状が後遺症として残ります。
脳卒中・脳梗塞・脳出血の違い
「脳卒中」は、脳の血管が原因で起きる病気の総称です。
大きく2つに分かれます。
- 脳梗塞:血管が詰まるタイプ。脳卒中全体の約75%を占めます。
- 脳出血・くも膜下出血:血管が破れるタイプ。
つまり、脳梗塞は脳卒中の一種で、もっとも多いタイプです。
日本での脳梗塞の頻度
日本では、脳卒中は死因の上位に入る病気で、要介護になる原因の第1位でもあります。
2024年に発表されたアジア全域の脳卒中レビュー研究では、アジア圏でも脳梗塞が脳卒中の大多数を占め、特に高血圧と心房細動が主要な原因であることが示されています(Tan KS et al. Cerebrovasc Dis Extra. 2024)。
どちらも「脳の一部が壊れて後遺症が残る」という意味では同じですが、急性期の治療法(脳梗塞は血栓を溶かす、脳出血は血圧を下げる・出血を止める)と再発予防の薬がまったく違うため、診断名を正確に把握しておくことが大切です。
退院後のリハビリと再発予防は、診断名にあわせて組み立てます。
脳梗塞の3つのタイプ
脳梗塞は、血管が詰まる原因によって3つに分けられます。
タイプによって、症状の出方・治療・再発予防がそれぞれ違います。
① ラクナ梗塞|細い血管が詰まるタイプ
脳の奥にある細い血管が詰まって、直径15mm以下の小さな梗塞ができるタイプです。
主な原因は長年の高血圧で、細い血管が傷んで内側が狭くなり、最終的に詰まります。
梗塞が小さいので、症状が軽いことも多く、「軽い脳梗塞」と呼ばれることがあります。
ただし何度も繰り返すと認知機能が低下するため、症状が軽くても油断はできません。
② アテローム血栓性脳梗塞|太い血管の動脈硬化タイプ
脳の太い血管(首の頸動脈や脳の中の動脈)の内側に、コレステロールが固まったかたまり(プラーク)ができ、そこに血の塊(血栓)ができて血管を詰まらせるタイプです。
主な原因は、高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙などによる動脈硬化です。
夜中や朝方にゆっくり症状が進む(手足のしびれが少しずつ強くなる、ろれつが回らなくなる、など)ことが特徴です。
③ 心原性脳塞栓症|心臓から飛んできた血栓が詰まるタイプ
心臓の中(多くは心房)にできた血栓が、血流に乗って脳に飛んできて、脳の太い血管を一気に詰まらせるタイプです。
最大の原因は心房細動(不整脈の一種)です。
突然、大きな血管が詰まるため、急に重い麻痺が出る・意識を失うなど、症状が一気に強く出るのが特徴です。
3つのタイプの中で、もっとも重症化しやすく死亡率も高いタイプです。
・詰まる血管:細い血管(直径15mm以下の梗塞)
・主な原因:長年の高血圧
・症状の出方:軽め・ゆっくり
アテローム血栓性脳梗塞
・詰まる血管:太い血管
・主な原因:動脈硬化(高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙)
・症状の出方:夜中~朝にじわじわ進む
心原性脳塞栓症
・詰まる血管:太い血管が一気に
・主な原因:心房細動
・症状の出方:突然・重い症状
脳梗塞の主な原因とリスク因子
脳梗塞は、ある日突然起こるように見えますが、実際には長年のリスク因子の積み重ねで発症します。
主なリスク因子は次のとおりです。
生活習慣に関係するリスク因子
- 高血圧:もっとも大きな原因。血管の壁を傷つけて動脈硬化を進めます。
- 糖尿病:血糖が高いと血管の内側が傷み、動脈硬化が進みます。
- 脂質異常症:悪玉コレステロール(LDL)が血管壁にたまります。
- 喫煙:血管を収縮させ、血液を固まりやすくします。
- 過度の飲酒:血圧上昇・不整脈の引き金になります。
- 運動不足・肥満:上記すべての悪化要因です。
心臓・血液の病気によるリスク因子
- 心房細動:心原性脳塞栓症の最大原因。脈が不規則に乱れる不整脈です。
- 心筋梗塞・心不全:心臓内に血栓ができやすくなります。
- 頸動脈狭窄:首の太い動脈が動脈硬化で狭くなっている状態です。
変えられないリスク因子
- 加齢:年齢が上がるほど発症リスクが高まります。
- 性別:男性のほうがやや高リスクですが、閉経後の女性も急増します。
- 家族歴:両親や兄弟に脳卒中歴があるとリスクが上がります。
2024年に発表されたアジア圏の脳卒中レビューでは、アジア人は欧米人と比べて高血圧由来のラクナ梗塞と頭蓋内動脈の動脈硬化が多いことが指摘されています(Tan KS et al. Cerebrovasc Dis Extra. 2024)。
そのため、日本人にとって血圧管理がもっとも費用対効果の高い再発予防と言えます。
再発予防の具体的な進め方は、脳卒中の再発予防|食事・運動・薬で何ができるかで詳しく解説しています。
脳梗塞の症状|FAST以外の見逃しやすいサイン
脳梗塞の代表的なサインは「FAST」です。
世界的に使われている合言葉で、当事者の家族が最初に気づくきっかけになります。
A(Arm:腕) 両腕を前に上げると、片方だけ下がってくる。
S(Speech:言葉) ろれつが回らない、簡単な単語が言えない、意味が通じない。
T(Time:時間) 1つでも当てはまれば、いつ起きたかをメモしてすぐ119番。
発症から治療開始までの時間が短いほど、後遺症が軽くなります。
ただし、脳梗塞の症状はFASTだけではありません。
見逃しやすい脳梗塞のサイン
- 片目だけ見えにくい・視野の半分が欠ける(一過性黒内障など)
- 突然のめまい・ふらつき・歩けない(小脳・脳幹の梗塞)
- 突然の激しい頭痛(脳出血・くも膜下出血の可能性も)
- 片側の手足のしびれ・力が入らない
- 飲み込みにくい・むせる
- 急に意味の通らないことを言う・人や物の名前が出てこない
- 体の片側だけ感覚がおかしい(触っても分からない・じんじんする)
これらが突然・数分以内に出現した場合は、脳梗塞を強く疑います。
症状が一時的に消える「TIA(一過性脳虚血発作)」
「ろれつが回らないと思ったら数分で元に戻った」「片手の力が抜けたが、20分で戻った」というケースは、TIA(一過性脳虚血発作)の可能性があります。
TIAは脳梗塞の前触れ発作で、放置すると48時間以内に本格的な脳梗塞に進むことがあります。
症状が消えてしまっても、必ず救急外来を受診してください。
「一時的に症状が出て消えた」は危険信号です。
本人が「もう治った」と言っても、ご家族が説得して救急外来に連れていってください。
救急外来でMRIを撮ってTIAと診断されれば、その場で抗血小板薬の内服が始まり、大きな発作を予防できます。
リハビリの無料体験を実施中!
といった方から選ばれています!
脳梗塞と発熱の関係
「脳梗塞のあとに熱が出た」「熱があると脳梗塞が悪化すると聞いた」と、ご家族から相談を受けることがよくあります。
結論からお伝えすると、脳梗塞の急性期に発熱が続くと、予後が悪くなりやすいことが分かっています。
発熱が起きる主な原因
- 誤嚥性肺炎:飲み込み機能が落ちて、唾液や食べ物が気管に入って起こります。脳梗塞後の発熱で最多。
- 尿路感染:ベッド上で過ごす時間が長くなり、尿のカテーテルを入れている方に多いです。
- 脳そのものによる発熱(中枢性発熱):体温を調節する脳の部位が障害されると、感染がなくても熱が出ます。
- 深部静脈血栓症:寝たきりで足の血流が滞り、血栓ができて熱が出るケース。
発熱が予後を悪くする理由
脳の細胞は、温度が上がると酸素消費量が増えて、よりダメージを受けやすくなると考えられています。
2023年に発表された複数の研究をまとめた分析では、脳卒中急性期の発熱は症状の悪化や入院期間の延長と関連することが示されています(Liddle LJ et al. Transl Stroke Res. 2023)。
そのため、急性期病棟では発熱があれば解熱薬・クーリング・感染症の治療を素早く行い、体温を平熱に近づけることが標準的な対応になっています。
退院後に発熱したとき、ご家族が気をつけること
- むせている回数が増えていないか確認する
- 呼吸が速い・苦しそうな様子はないか観察する
- 水分量・尿量が極端に減っていないか確認する
- 38℃以上の発熱が2日以上続くときは、かかりつけ医を早めに受診する
退院後の方で誤嚥性肺炎を繰り返している場合は、嚥下機能の再評価とリハビリが必要です。
軽い脳梗塞(無症候性・ラクナ)でも油断できない理由
脳ドックや人間ドックで、「無症候性脳梗塞があります」「小さなラクナ梗塞の跡があります」と指摘されて不安になる方が増えています。
症状が出ていない=軽い脳梗塞は、本人が気づかないだけで、すでに脳の細胞が壊れた跡です。
無症候性脳梗塞と認知機能低下
2020年に発表された複数の研究をまとめた分析では、無症候性脳梗塞があると、その後の認知機能低下と認知症のリスクが上がることが報告されています(Azeem F et al. J Neurol. 2020)。
つまり、「症状が出ていないからまだ大丈夫」ではなく、本格的な脳卒中・血管性認知症の予兆として捉える必要があります。
ラクナ梗塞の再発リスク
ラクナ梗塞は1回目が軽くても、何度も繰り返すうちに脳の細い血管が広範囲に傷み、歩行障害・パーキンソン症状・血管性認知症へとつながることがあります。
「ラクナだから安心」ではなく、むしろ高血圧をしっかり下げて再発を防ぐスタートラインと捉えてください。
診察室で測る血圧と家庭での血圧は別物で、家庭の血圧のほうが将来の脳卒中リスクをより正確に反映します。
朝の血圧が135/85mmHg以上であれば、生活習慣の見直しと内科医への相談が必要です。
塩分摂取量・運動・睡眠の整え方は、再発予防の記事で詳しく解説しています。
脳梗塞の主な後遺症
脳梗塞で壊れた脳の場所と大きさによって、残る後遺症は人それぞれ違います。
代表的なものを順に解説します。
① 片麻痺(手足の麻痺)
もっとも多い後遺症が、体の片側に出る麻痺(片麻痺)です。
右脳が壊れると左半身、左脳が壊れると右半身に麻痺が出ます。
2003年に発表された古典的な研究では、発症1週時点でわずかでも手指が動く方は、6か月後に実用的な手の機能を取り戻せる確率が高いことが示されています(Kwakkel G et al. Stroke. 2003)。
つまり、急性期にどれくらい動かせるかが、長期予後を予測する大きな手がかりになります。
② 感覚障害(しびれ・触っても分からない)
触られた感覚や、関節の位置を感じる感覚が鈍くなったり、逆にじんじん・ピリピリとしたしびれが出ることがあります。
麻痺が回復しても、感覚障害は残りやすく、生活の質に大きく影響します。
③ 高次脳機能障害(注意・記憶・遂行機能の障害)
外見上は元気でも、集中力が続かない・新しいことが覚えられない・段取りができないといった症状が出ることがあります。
家族にも気づかれにくく、本人も自覚しにくいため、職場復帰や復学のときに困りごとが表面化することが多いです。
④ 失語症(言葉が出ない・理解できない)
多くの方は左脳に言語中枢があるため、左脳の脳梗塞では失語症が起きます。
言葉を話せない、相手の言葉が理解できない、文字を読めない・書けない、といった症状が組み合わさって出ます。
⑤ 嚥下障害(飲み込みにくい)
食べ物や飲み物を飲み込む筋肉が麻痺し、むせる・誤嚥するようになります。
2024年に発表された複数の研究をまとめた分析では、脳卒中後の嚥下障害は約4割の方に起こり、誤嚥性肺炎や栄養不良の最大のリスク因子になることが示されています(Song W et al. Front Neurol. 2024)。
嚥下障害の有無は、退院後の生活の質と再入院リスクを左右する重要なポイントです。
⑥ 視野障害・同名半盲
後頭葉の脳梗塞では、両目とも右半分(または左半分)が見えなくなる同名半盲が起きます。
本人は「片目が見えなくなった」と訴えることが多いですが、実は両目の片側半分が見えていないというパターンが多いです。
⑦ 脳卒中後うつ・疲労感
脳梗塞のあとは、脳のダメージそのものと、生活の変化への戸惑いから、うつ症状・強い疲労感が出ることがあります。
「やる気が出ない」「すぐに疲れる」「リハビリを頑張れない」というのは、本人の性格ではなく後遺症の一つです。
退院後の疲労との付き合い方は、脳卒中の疲労|疲れやすさの原因と対処法で詳しく解説しています。
治療の流れ|急性期→回復期→生活期
脳梗塞の治療は、発症からの時期によって3つのフェーズに分かれます。
急性期(発症~約2週間)
救急搬送後、すぐにCTやMRIで脳梗塞のタイプ・場所・大きさを調べます。
条件が合えば、次の2つの治療が行われます。
- 血栓溶解療法(t-PA静注):原則として発症4.5時間以内の方が対象。詰まった血栓を薬で溶かします。
- 血栓回収療法(カテーテル治療):太い血管が詰まっている場合、原則8~24時間以内に血栓を物理的に取り除きます。
そのほかに、血液をサラサラにする薬・脳のむくみを抑える薬・血圧管理が並行して行われます。
急性期病院では、入院翌日からベッドサイドで離床訓練(座る・立つ・歩く)が始まります。
回復期(約2週間~6か月)
急性期病院での治療が落ち着くと、多くの方は回復期リハビリ病院に転院します。
1日3時間程度のリハビリを集中的に行い、立つ・歩く・食べる・話すといった日常生活動作の再獲得を目指します。
入院期間は最長180日と決まっていて、症状や進み具合によって退院時期が決まります。
生活期(退院後)
退院後は、ご自宅または施設で生活を始めます。
多くの方は外来リハビリ・訪問リハビリ・通所リハビリ(デイケア)を組み合わせて続けます。
2024年に発表された日本人を含むコホート研究では、発症1年時点の障害の重さが、その後の再発・心血管イベント・死亡リスクと強く関連することが報告されています(Du J et al. J Am Heart Assoc. 2024)。
つまり、退院後1年間をどう過ごすかが、その先10年・20年の人生に大きく影響します。
退院後の過ごし方は退院後の脳卒中リハビリ完全ガイドで全体像を解説しています。
日常動作で特に困りやすいトイレについては片麻痺のトイレ動作|自宅で自立するための工夫を、歩行についてはぶん回し歩行の原因と改善もあわせてご覧ください。
BRAINからの臨床コメント
脳卒中専門リハビリ施設BRAINでは、退院後の脳梗塞・脳出血の方を中心に、保険外の集中的なリハビリを提供しています。
長年お会いしてきた中で、当事者とご家族にお伝えしたいことを3つだけまとめます。
① 発症直後の数時間が、その後の人生を決める
急性期治療(血栓溶解・血栓回収)が間に合うかどうかで、後遺症の重さは大きく変わります。
「ちょっと様子を見よう」を選ぶと、治療の選択肢が一気に狭くなります。
迷ったら救急車を呼ぶ。これだけは絶対にお願いしたいことです。
② 回復は6か月で止まらない
「脳卒中の回復は6か月でほぼ決まる」と言われることがありますが、これは急性期の急激な回復が落ち着くのが6か月という意味であって、それ以降に改善しないわけではありません。
BRAINでも、発症から3年・5年経って初めて手指が動き始めた方、装具なしで歩けるようになった方を多く拝見しています。
適切な負荷の運動を続けていれば、脳には回復する力(神経可塑性)が残っています。
③ 再発予防が「次の人生」を守る
脳梗塞は、もっとも再発しやすい病気の一つです。
血圧・脂質・血糖・心房細動の管理を放置すると、5年以内の再発率は決して低くありません。
退院後は、リハビリと同じくらい「処方薬を飲み続けること・血圧を毎日測ること」を大切にしてください。
歩行能力が回復してきたら、杖を卒業するタイミングもあわせて参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 脳梗塞と脳卒中の違いは何ですか?
脳卒中は、脳の血管に問題が起きる病気の総称です。
その中で、血管が詰まるタイプを「脳梗塞」、破れるタイプを「脳出血・くも膜下出血」と呼びます。
脳卒中全体のうち、約75%が脳梗塞です。
Q2. 脳梗塞は遺伝しますか?
脳梗塞そのものが遺伝するわけではありませんが、高血圧・糖尿病・脂質異常症・心房細動など、脳梗塞の原因となる病気は遺伝しやすい傾向があります。
両親や兄弟に脳卒中の方がいるなら、若いうちから定期的な健康診断と血圧測定を始めてください。
Q3. 軽い脳梗塞(無症候性)と言われましたが、薬を飲む必要がありますか?
無症候性脳梗塞があるということは、すでに血管が傷んでいるサインです。
本格的な脳卒中への進行・認知症のリスクを下げるため、主治医の指示があれば抗血小板薬・降圧薬の服用が推奨されます。
「症状がないから飲まなくていい」と自己判断せず、必ず主治医に相談してください。
Q4. 脳梗塞の入院期間はどれくらいですか?
急性期病院の入院期間は、軽症で2週間程度、中等症~重症で1か月程度が目安です。
その後、回復期リハビリ病院に転院する方は、最長180日まで入院が可能です。
つまり、発症から退院まで合計で2か月~半年程度になることが多いです。
Q5. 厚生労働省の公式情報はどこで見られますか?
脳卒中の公式情報は、厚生労働省、日本脳卒中学会、国立循環器病研究センターの各サイトに掲載されています。
診療ガイドラインや疫学データは日本脳卒中学会のサイトで、患者向けの解説は国立循環器病研究センターのサイトで分かりやすくまとまっています。
まとめ
- 脳梗塞とは、脳の血管が詰まって脳の細胞が壊れる病気で、脳卒中の約75%を占めます。
- タイプは「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓症」の3つで、原因と治療が異なります。
- 主なリスク因子は、高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・心房細動・加齢です。
- FAST(顔・腕・言葉・時間)に当てはまる症状が突然出たら、即119番に通報してください。
- 急性期の発熱は予後を悪くするため、解熱と感染症治療を素早く行うことが大切です。
- 無症候性脳梗塞・ラクナ梗塞も油断はできず、再発予防と血圧管理を始めるきっかけと捉えてください。
- 後遺症は、片麻痺・感覚障害・高次脳機能障害・失語症・嚥下障害・視野障害・脳卒中後うつなど多岐にわたります。
- 治療は急性期→回復期→生活期の3段階で進み、発症1年後の状態がその後の人生に大きく影響します。
リハビリの無料体験を実施中!
といった方から選ばれています!
個別の診断・治療方針は、主治医・かかりつけ医にご相談ください。
本記事は医学的助言を代替するものではありません。
脳梗塞の症状が突然出現した場合は、迷わず119番に通報してください。
参考文献
- Kwakkel G, Kollen BJ, van der Grond J, et al. Probability of regaining dexterity in the flaccid upper limb: impact of severity of paresis and time since onset in acute stroke. Stroke. 2003;34(9):2181-6. PMID: 12907818
- Azeem F, Durrani R, Zerna C, Smith EE. Silent brain infarctions and cognition decline: systematic review and meta-analysis. J Neurol. 2020;267(2):502-512. PMID: 31691021
- Liddle LJ, Dirks CA, Almekhlafi M, Colbourne F. An Ambiguous Role for Fever in Worsening Outcome After Intracerebral Hemorrhage. Transl Stroke Res. 2023;14(2):123-136. PMID: 35366212
- Song W, Wu M, Wang H, et al. Prevalence, risk factors, and outcomes of dysphagia after stroke: a systematic review and meta-analysis. Front Neurol. 2024;15:1403610. PMID: 39087010
- Tan KS, Pandian JD, Liu L, et al. Stroke in Asia. Cerebrovasc Dis Extra. 2024;14(1):58-75. PMID: 38657577
- Du J, Zhai Y, Dong W, et al. One-Year Disability Trajectories and Long-Term Cardiovascular Events, Recurrent Stroke, and Mortality After Ischemic Stroke. J Am Heart Assoc. 2024;13(3):e030702. PMID: 38240201
最終医療レビュー日:2026年5月15日

