「この介入は、患者さんの心にどう響いたんだろう?」

毎日の臨床で生まれるこうした疑問に、RCTやメタアナリシスだけでは答えきれないと感じたことはないでしょうか。

セラピストが臨床で扱う疑問は、「効果があるか/ないか」を測る量的な問いと、「患者さんはそれをどう経験しているか」を読み解く質的な問いの両方を含んでいます。

本記事では、質的研究 量的研究の違い、混合研究法の位置づけ、SPIDER/PICOTフレームワークの使い分けまで、PT・OT・STが臨床で活かせる形で解説します。

情報の信頼性について
・本記事はBRAIN代表/理学療法士の針谷が執筆しています(執筆者情報は記事最下部)。
・本記事の情報は、SPIDERフレームワーク原典(Cooke et al, 2012)をはじめとする原著論文と、リハビリ領域の質的研究・混合研究法の最新エビデンスを根拠としています。
目次
  1. 本記事の結論
  2. 質的研究 量的研究の違い|目的・データ・分析の3観点で整理
  3. 量的研究の特徴|PICOT/PICOで研究疑問を組み立てる
    1. PICOTの5要素
    2. 量的研究の代表的なデザイン
  4. 質的研究の特徴|SPIDERフレームワークと4つの主要アプローチ
    1. SPIDERの5要素
    2. 質的研究の主要4アプローチ
    3. ①現象学(Phenomenology)
    4. ②グラウンデッドセオリー(Grounded Theory)
    5. ③主題分析(Thematic Analysis)
    6. ④質的記述的研究(Qualitative Descriptive Study)
  5. 混合研究法(Mixed Methods)|量と質を統合する第3の道
    1. 代表的な3つの設計
    2. 日本のリハビリ領域での混合研究法の実例
    3. 混合研究法のシステマティックレビュー
  6. PICOTとSPIDERの使い分け|疑問のタイプから選ぶ
  7. セラピストが両方知るべき4つの理由
    1. 理由①:効果の「平均」と「個別経験」をつなげられる
    2. 理由②:アウトカム選定の幅が広がる
    3. 理由③:SDM(共有意思決定)の質が上がる
    4. 理由④:研究論文の批判的吟味が深くなる
  8. 質的研究を読むときに見るべきポイント
  9. よくある質問(FAQ)
    1. Q1:質的研究はエビデンスレベルが低いから読む必要がないのでは?
    2. Q2:質的研究の論文はPubMedで検索できますか?
    3. Q3:症例報告は質的研究ですか?
    4. Q4:混合研究法を自分で実施する場合、どこから学べばいいですか?
    5. Q5:質的研究の論文の質を評価するチェックリストはありますか?
  10. 本記事のまとめ
  11. 参考文献

本記事の結論

  • 量的研究は「どれくらい効果があるか」を数値で測り、質的研究は「どんな経験か」を言葉で記述する
  • 量的疑問にはPICOT、質的疑問にはSPIDERのように、研究疑問のタイプによって使うフレームワークが異なる
  • 両者を統合した混合研究法(Mixed Methods Research)は、リハビリの複雑な介入評価に有効で、近年急速に活用が広がっている

以下、詳しく解説していきます。

質的研究 量的研究の違い|目的・データ・分析の3観点で整理

質的研究と量的研究は、研究の目的・扱うデータの種類・分析方法のすべてが異なる、相互補完的な2つのアプローチです。

まずは両者の違いを、3つの観点で並べて整理します。

観点量的研究(Quantitative Research)質的研究(Qualitative Research)
目的効果の大きさ・関係性を「数値」で測定し検証する経験・意味・プロセスを「言葉」で記述し理解する
典型的な問いどれくらい効果があるか/何%改善するかどのように経験されているか/何が起きているか
主なデータ評価指標スコア、人数、頻度、効果量インタビュー逐語録、観察記録、フィールドノート
代表的な研究デザインRCT、コホート研究、横断研究、メタアナリシス現象学、グラウンデッドセオリー、エスノグラフィ、主題分析
分析手法統計解析(t検定、ANOVA、回帰分析等)コーディング、テーマ抽出、概念化
結果の表現平均値、p値、効果量、信頼区間テーマ、カテゴリ、概念モデル
代表的フレームワークPICO/PICOTSPIDER/PEO

表のとおり、量的研究は「測る」、質的研究は「理解する」と覚えるとシンプルです。

たとえば、「課題指向型訓練がFMA-UEを何点改善させるか」は量的な問いで、RCTやメタアナリシスで答えます。

一方、「片麻痺になった人は、動かない手をどう感じているか」は質的な問いで、現象学やグラウンデッドセオリーで答えます。

どちらが優れているという話ではなく、問いの種類に応じて使い分けるのがEBPの基本です。

BRAINの判断!
BRAINでは、新しい介入手法を採用する際の臨床判断で、量的エビデンス(RCTの効果量)と質的エビデンス(患者さんの体験談)の両方を必ず確認するようにしています。たとえばTMS導入の場面では、運動機能スコアの平均改善(量的)だけでなく、「治療中にどう感じるか」「日常生活で何が変わったか」(質的)も合わせて検討してから、導入を決めています。

量的研究の特徴|PICOT/PICOで研究疑問を組み立てる

量的研究は、研究疑問を「測定可能な変数」に翻訳し、統計的に検証するアプローチです。

セラピストにとって馴染み深いPICOフレームワークは、量的研究のための疑問定式化ツールです。

PICOTは、PICOにTimeframe(評価時期)を加えた拡張版で、看護・リハビリの臨床試験で広く使われています(Feldner & Dutka, 2024)

PICOTの5要素

  • P(Population):対象患者は誰か(例:脳卒中発症後3〜6ヶ月の成人)
  • I(Intervention):介入は何か(例:課題指向型訓練)
  • C(Comparison):比較対象は何か(例:通常リハビリ)
  • O(Outcome):何で評価するか(例:FMA-UE)
  • T(Timeframe):いつ評価するか(例:介入後4週・12週)

「いつ評価するか」を明確にすることで、効果の持続性や評価時期による違いを検証できるのがPICOTの強みです。

PICO/PICOTの具体的な作り方は、関連記事「PICO/PECOの作り方と例|臨床疑問を検索式に変換する【PT・OT】」と「PEO・SPIDER・PICOT・PO|PICO以外の4つの派生フレームワーク|PT・OT向け臨床疑問の定式化」で詳しく解説しています。

量的研究の代表的なデザイン

量的研究には、エビデンスレベルの高い順に以下のデザインがあります。

  • システマティックレビュー/メタアナリシス:同テーマの複数RCTを統合し、効果の総合推定値を算出
  • ランダム化比較試験(RCT):無作為割り付けで介入効果を検証する黄金標準
  • コホート研究:暴露群と非暴露群を時間軸で追跡し関連を検証
  • 横断研究:ある時点での要因とアウトカムの関係を調査
  • 症例対照研究:結果から原因を遡って探る

各デザインの位置づけは、関連記事「エビデンスピラミッドとは|リハビリ研究のエビデンスレベル分類を完全解説|PT・OT実践ガイド」で図解しています。

質的研究の特徴|SPIDERフレームワークと4つの主要アプローチ

質的研究は、患者さんや家族・医療者の経験を「言葉」で深く記述し、その意味やプロセスを理解するアプローチです。

PICOは量的研究を前提に設計されているため、質的研究には適していません。

そこで2012年に提案されたのがSPIDERフレームワークです(Cooke et al, 2012)

SPIDERの5要素

  • S(Sample):研究対象(例:脳卒中後3ヶ月の片麻痺患者)
  • PI(Phenomenon of Interest):関心のある現象(例:動かない手の体験)
  • D(Design):研究デザイン(例:現象学的研究、グラウンデッドセオリー)
  • E(Evaluation):評価する内容(例:主観的体験、対処戦略、意味付け)
  • R(Research type):研究タイプ(質的・混合)

SPIDERは「Sample(標本)」「Phenomenon of Interest(関心のある現象)」を中心に据えることで、PICOでは扱いにくい「経験」「意味」「プロセス」を研究疑問として組み立てられるように設計されています。

SPIDER原典の著者らは、「PICOは量的研究の検索で力を発揮するが、質的研究の検索では取りこぼしが多くなる」と明確に指摘しています(Cooke et al, 2012)

質的研究の主要4アプローチ

リハビリ領域で頻出する質的研究のアプローチは、以下の4つです。

①現象学(Phenomenology)

現象学は、「ある体験がその人にとってどんな意味を持つか」を本質まで掘り下げるアプローチです。

たとえば日本の高島ら(2016)は、施設に入所した脳卒中後の片麻痺者18名を対象に解釈学的現象学(hermeneutic phenomenology)を行い、「逃れられない依存」「無力感」「自律性の喪失」など7つのテーマを抽出しました(Takashima et al, 2016)

この知見は、FMA-UEや握力では捉えられない「動かない手をどう生きるか」という主観的体験の構造を示しており、長期維持期のリハビリ介入を考えるうえで重要な示唆を与えます。

②グラウンデッドセオリー(Grounded Theory)

グラウンデッドセオリーは、データから理論モデル(プロセスや構造の説明モデル)を「立ち上げる」アプローチです。

2026年にArchives of Physical Medicine and Rehabilitationで発表された研究では、脳卒中後疲労(PSF)について生存者17名・介護者10名・医療者を対象にグラウンデッドセオリーを実施し、3視点を統合した疲労管理モデルを構築しています(Chow et al, 2026)

2025年には中国の片麻痺脳卒中13名を対象とした研究(Liu et al, 2025)と、オランダの脳卒中生存者を対象とした研究(van Nimwegen et al, 2025)でも、それぞれ独立した回復過程モデルが提案されています(Liu et al, 2025)(van Nimwegen et al, 2025)

③主題分析(Thematic Analysis)

主題分析は、インタビュー逐語録から繰り返し現れるテーマを系統的に抽出するアプローチです。

2026年にFrontiers in Neurologyで発表された日本(畿央大)の三末ら(2026)の研究では、入院中の脳卒中患者19名に対して半構造化面接を行い、「歩くことが本人にとってなぜ重要か」を6つの主要テーマとして抽出しました(Mitsue et al, 2026)

歩行スピードや距離といった量的指標だけでなく、患者さんが歩行に込めている意味を理解することで、ゴール設定の質が変わります。

④質的記述的研究(Qualitative Descriptive Study)

質的記述的研究は、現象学やグラウンデッドセオリーほど深い理論構築を行わず、現象を厚く記述することに焦点を当てたアプローチです。

日本の浅田ら(2024)は、回復期リハビリ病棟に入院中の高齢脳卒中患者4名を対象に半構造化面接を行い、SCAT(Steps for Coding and Theorization)法で分析し、「麻痺手の動かしにくさ」「再発への恐怖」「食事の困難」など患者特有のストレッサーを抽出しました(Asada et al, 2024)

事実:このように、質的研究のアプローチは「何を明らかにしたいか」によって使い分けます。

BRAINの判断!
BRAINでは、利用者さんとのShared Decision Making(SDM)面談で介入方針を決める場面で、質的研究の知見を「患者さんが大事にしている価値」を引き出す材料として使っています。たとえば「歩行の重要性」を6テーマで整理した三末ら(2026)の研究は、ゴール設定の場面で「あなたにとって歩くって何ですか?」と問いかける際のフレーム作りに役立っています。

混合研究法(Mixed Methods)|量と質を統合する第3の道

混合研究法(Mixed Methods Research)は、量的研究と質的研究を同じ研究プロジェクトで組み合わせ、互いの弱点を補い合うアプローチです。

2026年にHryciwらは、International Journal of Speech-Language Pathology誌で、「ST領域のEBPを支えるには混合研究法が有効である」と論じています(Hryciw et al, 2026)

混合研究法の特徴は、「量的データだけ・質的データだけでは見えないこと」を、両者の統合によって明らかにできる点にあります。

代表的な3つの設計

  • 収束デザイン(Convergent Design):量的・質的データを同時に収集し、両者の結果を統合して解釈する
  • 逐次説明デザイン(Sequential Explanatory):先に量的調査を行い、その結果を質的インタビューで深掘りする
  • 逐次探索デザイン(Sequential Exploratory):先に質的研究で仮説を生成し、量的研究で検証する

日本のリハビリ領域での混合研究法の実例

2026年にDisability and Rehabilitation誌に掲載された研究では、日本の理学療法士141名を対象に、VR(バーチャルリアリティ)の脳卒中リハビリ利用についての量的調査と質的インタビューを統合した逐次説明型混合研究法が実施されました(Kim et al, 2026)

この研究は「どれだけ使われているか(量)」と「なぜ使わない/使うのか(質)」を組み合わせており、量的調査だけでは捉えられない導入障壁の構造を明らかにしています。

混合研究法のシステマティックレビュー

近年は、混合研究法のシステマティックレビュー(Mixed Methods Systematic Review;MMSR)も急速に増えています。

2026年のWei & Üzar-Özçetinによる研究では、大腸がん患者の心理的レジリエンスについて33研究を量的・質的・混合の3軸で統合し、PICOS/SPIDER/MMAT(Mixed Methods Appraisal Tool)を活用してエビデンスを統合しています(Wei & Üzar-Özçetin, 2026)

関連記事「システマティックレビューとメタアナリシスの違い|PT・OTのためのEBP実践ガイド」で、量的SRとの違いを併せて確認しておくと理解が深まります。

PICOTとSPIDERの使い分け|疑問のタイプから選ぶ

研究疑問が「効果を測りたい量的疑問」か「経験を理解したい質的疑問」かで、使うフレームワークが変わります。

下表に、PICOT/SPIDER/PEOの使い分けを整理しました。

フレームワーク主な用途典型的な臨床疑問の例
PICOT量的研究(治療・予防の効果検証)「課題指向型訓練は脳卒中片麻痺患者のFMA-UEを通常リハビリに比べ4週後にどれだけ改善させるか」
SPIDER質的研究/混合研究法(経験・意味・プロセス)「片麻痺患者は動かない手をどう体験し、どう意味づけているか」
PEO観察研究(要因とアウトカムの関連)「サルコペニアを持つ脳卒中患者は、転倒リスクが高いか」

「効果」を問うなら PICOT、「経験」を問うなら SPIDERがシンプルな選び方の指針です。

各フレームワークの詳細は、関連記事「PEO・SPIDER・PICOT・PO|PICO以外の4つの派生フレームワーク」で深掘りしています。

セラピストが両方知るべき4つの理由

「量的研究だけ追っていれば十分では?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、リハビリ臨床の現場では、量的研究と質的研究の両方を理解することで判断の質が大きく変わります

理由①:効果の「平均」と「個別経験」をつなげられる

量的研究は「平均的にどれだけ効果があるか」を示しますが、目の前の患者さんがその平均値どおりに反応するとは限りません。

質的研究の知見を持っておくと、「この介入を受けた人はどんな体験をしているか」を踏まえて、平均値と目の前の現実とをつなぐ判断ができます。

理由②:アウトカム選定の幅が広がる

FMA-UEや10m歩行試験のような量的指標は重要ですが、患者さんの「主観的体験」「役割の回復」「家族関係」などは数値だけでは捉えきれません。

質的研究の知見を借りることで、評価指標の選び方や、ゴール設定の語彙が増えます。

理由③:SDM(共有意思決定)の質が上がる

SDMで患者さんに選択肢を提示する際、効果量(量的データ)だけでなく「実際に受けた人がどう感じたか」(質的データ)も伝えることで、患者さんが選択しやすくなります。

たとえば「TMS治療後の生活で何が変わったか」という質的知見は、効果量p<0.05だけでは伝わらない情報を補完します。

理由④:研究論文の批判的吟味が深くなる

論文を読む際、量的研究のRoB(バイアスリスク)と質的研究のtrustworthiness(信頼性)の両方を判断できると、エビデンスの厚みが立体的に把握できます。

関連記事「内的妥当性と外的妥当性|PT・OTが論文の質を見抜く2つの視点」も併せて参照すると、量的研究の批判的吟味の軸が整理できます。

BRAINの判断!
BRAINでは、月1回の症例検討会で量的データ(評価指標スコアの推移)と質的データ(利用者さんの語りやセラピスト観察記録)を必ずセットで提示することにしています。「スコアは横ばいでも、本人は『歩く意味が変わった』と語った」のような場面は、量的データだけでは見落とされがちです。両軸で検討することで、介入方針の修正が的確になりました。

質的研究を読むときに見るべきポイント

量的研究の批判的吟味では、ランダム化・盲検化・脱落者の扱いなどを見ます。

一方、質的研究では「信頼性(trustworthiness)」の4基準がチェックポイントです。

  • 信用性(Credibility):分析結果が実際のデータに即しているか(メンバーチェック・トライアンギュレーション)
  • 移転可能性(Transferability):他の文脈に適用できるか(厚い記述)
  • 確実性(Dependability):分析プロセスが追跡可能か(監査証跡)
  • 確認可能性(Confirmability):研究者の主観の影響を最小化しているか(リフレキシビティ)

量的研究のSR/MAでは PRISMA、RoB 2 などのチェックリストを使いますが、質的研究では COREQ、ENTREQ などのチェックリストが使われます。

よくある質問(FAQ)

Q1:質的研究はエビデンスレベルが低いから読む必要がないのでは?

これはエビデンスピラミッドの誤読です。

エビデンスピラミッドは「同じ問い(量的な治療効果の問い)に対するデザイン間の優劣」を示すもので、量と質を比べる図ではありません。

質的研究は別の問いに答えるツールなので、「読まなくていい」ではなく「使う場面が違う」と理解してください。

Q2:質的研究の論文はPubMedで検索できますか?

はい、検索可能です。

PubMedで「qualitative research」「phenomenology」「grounded theory」「thematic analysis」等のMeSH/自由語をクエリに加えると、質的研究の論文を抽出できます。

ただし、SPIDER原典の著者らも「質的研究は索引付けが弱い」と指摘しているため(Cooke et al, 2012)、複数のキーワードを組み合わせて検索範囲を広めにとるのがおすすめです。

Q3:症例報告は質的研究ですか?

症例報告は厳密には「ケーススタディ」と呼ばれ、量的・質的どちらの要素も含むハイブリッドな形式です。

1例の患者さんを深く記述する点では質的研究に近い側面がありますが、評価指標スコアの推移を扱うと量的データも含まれます。

厳密な質的研究の枠組み(現象学・グラウンデッドセオリー等)とは区別されるのが一般的です。

Q4:混合研究法を自分で実施する場合、どこから学べばいいですか?

まずは混合研究法の入門として、収束デザイン・逐次説明・逐次探索の3型を理解することをおすすめします。

リハビリ領域では、日本のPTを対象とした逐次説明型混合研究法の実例(Kim et al, 2026)が、設計から分析まで参考になります(Kim et al, 2026)

Q5:質的研究の論文の質を評価するチェックリストはありますか?

あります。代表的なものは以下のとおりです。

  • COREQ:個別の質的研究論文の報告品質を評価する32項目チェックリスト
  • ENTREQ:質的エビデンス統合(質的SR)の報告品質を評価する21項目チェックリスト
  • MMAT(Mixed Methods Appraisal Tool):量的・質的・混合研究法のすべてを評価できるツール

本記事のまとめ

  • 量的研究は「効果を数値で測る」、質的研究は「経験を言葉で理解する」アプローチ
  • 量的疑問にはPICOT、質的疑問にはSPIDER、観察研究にはPEOを使い分ける
  • 混合研究法(収束・逐次説明・逐次探索)は、量と質を統合し複雑なリハビリ介入の評価に有効
  • 両方の研究を読めるようになることで、効果の平均値と個別経験をつなぎ、SDMやゴール設定の質が上がる

本記事の内容が、量的・質的の両方を臨床に活かしたいセラピストの参考になれば幸いです。

参考文献

Cooke A, Smith D, Booth A. Beyond PICO: the SPIDER tool for qualitative evidence synthesis. Qual Health Res. 2012;22(10):1435-43. PMID: 22829486

Feldner K, Dutka P. Exploring the Evidence: Generating a Research Question: Using the PICOT Framework for Clinical Inquiry. Nephrol Nurs J. 2024;51(4):393-395. PMID: 39230468

Hryciw T, Charest M, Filiatrault-Veilleux P. Using mixed methods research to guide evidence-based practice in speech-language pathology interventions. Int J Speech Lang Pathol. 2026. PMID: 42176321

Wei W, Üzar-Özçetin YS. Psychological Resilience in Colorectal Cancer Patients: A Comprehensive Mixed Methods Systematic Review. Psychooncology. 2026;35(6):e70504. PMID: 42210049

Chow JK, Pickens ND, Lin K, et al. Three-Point Perspective on Poststroke Fatigue: Grounded Theory Study. Arch Phys Med Rehabil. 2026;107(3):408-415. PMID: 40592384

Liu H, Li Z, Fu S, Ren Z. Regaining independence: a grounded theory study of the process of rehabilitation changes in patients with hemiplegic stroke. Int J Qual Stud Health Well-being. 2025;20(1):2581404. PMID: 41208123

van Nimwegen DJJ, Vervoort SCJM, Visser-Meily JMA, et al. Reshaping life after stroke: a grounded theory. Int J Nurs Stud Adv. 2025;8:100348. PMID: 40486502

Takashima R, Murata W, Saeki K. Movement changes due to hemiplegia in stroke survivors: a hermeneutic phenomenological study. Disabil Rehabil. 2016;38(16):1578-91. PMID: 26732774

Asada Y, Nishio K, Iitsuka K, Yaeda J. A qualitative study of stressors faced by older stroke patients in a convalescent rehabilitation hospital. PLoS One. 2024;19(8):e0309457. PMID: 39186755

Mitsue S, Ogawa T, Minamikawa Y, et al. Perceived importance of walking among hospitalized patients with stroke: a thematic analysis. Front Neurol. 2026;17:1742132. PMID: 41798810

Kim M, Thawisuk C, Uetake S, et al. Perspectives of Japanese physical therapists on the use of virtual reality in stroke rehabilitation: a mixed-methods study. Disabil Rehabil. 2026. PMID: 41846269

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