「PICOは理解しているのに、患者さんのリハビリ体験を調べたい質的研究には当てはまらない気がして……」

「観察研究や要因疫学のクリニカルクエスチョンを立てようとすると、PICOのCに何を入れればいいか迷ってしまう」

PT・OTの臨床現場では、PICOだけでは定式化しにくい疑問が数多く生まれます。

実際、PICOは1996年にSackett DLらがEBMを提唱して以来(Sackett DL et al, 1996)、介入研究を前提に設計されたフレームワークです。

そのため、介入(Intervention)や比較(Comparison)という要素が馴染まない質的研究・観察研究・予後研究では、別のフレームワークを使っていただく必要があります。

本記事では、PICOの4つの派生フレームワーク——PEO・SPIDER・PICOT・PO——を、それぞれの構成要素・適用場面・PT/OT実例とあわせて解説していきます。

PubMedでの検索式サンプルも掲載しているので、すぐに臨床疑問の定式化に役立てていただけますか。

情報の信頼性について
・本記事はBRAIN代表/理学療法士の針谷が執筆しています(執筆者情報は記事最下部)。
・本記事はCooke et al.(SPIDER, Qual Health Res 2012)・Amir-Behghadami & Janati(PICOS, Emerg Med J 2020)・Sackett DL(BMJ 1996)・Page MJ et al.(PRISMA 2020, BMJ 2021)等の方法論文献に基づいて解説しています。

本記事の結論

  • PICOは介入研究向けのフレームワークであり、質的研究・観察研究・予後研究には派生フレームワークを使う
  • PEOは観察研究・要因疫学向け(Exposure=曝露因子を問う場面に最適)
  • SPIDERは質的研究向けで、研究デザイン・研究タイプを要素に含む(Cooke et al, 2012)
  • PICOTは時間軸(Time)を追加し、リハビリの回復曲線を考慮した介入研究に有用
  • POは介入なしの疫学・予後研究に絞ったシンプルな2要素構成

なぜPICO以外のフレームワークが必要か

PICOはEBMの出発点として非常に優れたフレームワークです。

しかし、その構造——Patient(患者)・Intervention(介入)・Comparison(比較)・Outcome(アウトカム)——は、本質的にRCT(ランダム化比較試験)や前後比較研究のような量的介入研究を前提としています。

PT・OTが日常的に疑問を持つ場面を考えると、介入以外のクリニカルクエスチョンが多数あることに気づきます

たとえば「脳卒中後に自宅復帰した患者さんが転倒しやすい環境要因は何か」という疑問は、介入を問うのではなく要因(Exposure)を問う観察研究の疑問です。

また「脳卒中後に集中的リハビリを経験した患者さんはどのような意味を見出しているのか」という疑問は、量的な比較ではなく体験の意味を探る質的研究の疑問です。

こうした疑問にPICOを無理に当てはめると、検索キーワードがズレてしまい、適切な論文に辿り着けないことがあります。

PICOの基本的な作り方については、PICO・PECOの作り方と実例の記事をあわせてご確認いただけますか。

また、フォアグラウンドクエスチョンとバックグラウンドクエスチョンの違いについては、クリニカルクエスチョンの種類と定式化の記事が参考になります。

派生フレームワークを使うことで、それぞれの研究デザインに合ったキーワードを選び出せるようになり、文献検索の精度が上がります

5フレームワーク早見表

PICO・PEO・SPIDER・PICOT・POの5フレームワーク早見表:構成要素・適用研究タイプ・主な用途を一覧化
5フレームワーク早見表(PICO以外も含む)

PICO・PEO・SPIDER・PICOT・POの5つのフレームワークを、構成要素・適用研究タイプ・リハビリでの使用場面の3軸で整理した比較表です。

フレームワーク構成要素適用研究タイプPT/OT主な使用場面
PICOPatient / Intervention / Comparison / OutcomeRCT・前後比較(量的介入)上肢機能への訓練効果比較
PEOPopulation / Exposure / Outcome観察研究・要因疫学・コホート転倒リスク要因・環境要因の調査
SPIDERSample / Phenomenon / Design / Evaluation / Research type質的研究・混合研究患者・家族のリハビリ体験・意思決定
PICOTPatient / Intervention / Comparison / Outcome / Time介入研究(時間軸重視)発症後6か月以内の集中期訓練効果
POPopulation / Outcome疫学・予後研究脳卒中後の長期生活機能予後

以降のセクションで、それぞれのフレームワークを詳しく解説していきます。

PEO(Population-Exposure-Outcome)|観察研究・要因疫学向け

PEOの構成要素

PEOは3つの要素で構成されるフレームワークです。

  • P(Population):対象集団。「誰を対象とするか」を定義します。
  • E(Exposure):曝露因子。介入ではなく、「どのような要因・環境・状況にさらされているか」を問います。
  • O(Outcome):アウトカム。「その曝露の結果として何が起きるか」を問います。

PICOの「Intervention(介入)」と「Comparison(比較)」をまとめて「Exposure(曝露)」に置き換えた構造です。

研究者が操作・割り付けするのではなく、自然に発生している要因の影響を観察する研究に向いています。

PEOをいつ使うか

PEOは以下のような疑問に向いています。

  • 観察研究・コホート研究・横断研究・ケースコントロール研究
  • リスク要因・予防要因・環境要因を問う疫学的疑問
  • 「〜が〜に与える影響」を自然観察で調べる場面

PT/OT実例:脳卒中後の転倒×環境要因

脳卒中後の患者さんの転倒予防に関心があるPTが、「退院後の在宅環境が転倒発生に影響するか」を調べたいとします。

この疑問をPEOで定式化すると次のようになります。

要素内容
P(Population)脳卒中後に在宅復帰した成人患者
E(Exposure)段差・照明不足・手すりなしなどの在宅環境要因
O(Outcome)転倒発生率・転倒による骨折

PubMedでの検索キーワード例:stroke rehabilitation home environment fall risk observational study

もうひとつの実例として、OTが手の浮腫(むくみ)の要因を調べたい場面を考えます。

「脳卒中後に患側上肢の浮腫が生じやすい姿勢要因は何か」という疑問は、介入効果を比較するものではないため、PICOよりPEOの方がフレームとして適切です。

要素内容
P(Population)脳卒中後に上肢麻痺を有する成人患者
E(Exposure)患側上肢の低垂位・非支持姿勢
O(Outcome)上肢浮腫の発生・重症度

PEOを使うことで、検索キーワードに「比較対照」「介入手法」を含めず、要因と結果の関係を調べる論文を的確に絞り込めます

SPIDER|質的研究向けフレームワーク

SPIDERの背景:Cooke et al. 2012

SPIDERは、2012年にCooke・Smith・Boothが質的エビデンス統合のために開発したフレームワークです(Cooke A, Smith D, Booth A, 2012)。

PICOが量的研究の検索に特化していたのに対し、SPIDERは質的研究や混合研究の文献検索に対応するために設計されました。

論文タイトル「Beyond PICO: the SPIDER tool for qualitative evidence synthesis」が示す通り、PICOを超えることを明確に意図したフレームワークです。

SPIDERの5つの構成要素

  • S(Sample):対象者・サンプル。量的研究の「Population」に相当しますが、質的研究では参加者選定の文脈でサンプルと呼びます。
  • PI(Phenomenon of Interest):関心現象。単なる介入ではなく、「何を明らかにしようとしているか」という探究の焦点を表します。
  • D(Design):研究デザイン。インタビュー研究・フォーカスグループ・エスノグラフィーなど、具体的なデザインを特定します。
  • E(Evaluation):評価・測定内容。量的アウトカムに限らず、体験・意味・プロセスなど広い評価内容を含みます。
  • R(Research type):研究タイプ。質的研究・量的研究・混合研究のいずれかを明示します。

PICOと比較すると、研究デザイン(D)と研究タイプ(R)が独立した要素として含まれている点が大きな特徴です。

これにより、質的研究に適した論文を絞り込むためのキーワードを体系的に導き出せます。

PT/OT実例:脳卒中患者のリハビリ体験を探る質的研究

OTが「脳卒中後に集中的作業療法を受けた患者さんは、日常生活動作の再学習においてどのような体験をしているのか」を知りたいとします。

この疑問をSPIDERで定式化すると次のようになります。

要素内容
S(Sample)脳卒中後に作業療法を受けた成人患者
PI(Phenomenon of Interest)集中的ADL訓練に対する体験・意味・モチベーション
D(Design)半構造化インタビュー・グラウンデッドセオリー
E(Evaluation)患者の語り・体験の意味・回復への認識
R(Research type)質的研究(Qualitative research)

PubMedでの検索キーワード例:stroke occupational therapy patient experience qualitative interview

別の実例として、PTが「脳卒中後の家族介護者はリハビリへの関わりをどのように経験しているか」を調べたい場面でも、SPIDERを活用できます。

要素内容
S(Sample)脳卒中患者の在宅介護を担う家族介護者
PI(Phenomenon of Interest)リハビリプロセスへの参加体験・介護負担の意味
D(Design)フォーカスグループ・現象学的分析
E(Evaluation)介護者の語り・心理的負担・サポートニーズ
R(Research type)質的研究

SPIDERを使うことで、「qualitative」「interview」「experience」「phenomenology」などのキーワードを体系的に検索式に組み込めるようになります。

PubMedでの具体的な検索式の組み方については、PubMedの使い方の記事もあわせてご確認いただけますか。

PICOT|時間軸を含む介入研究向け

PICOTとは何か

PICOTは、PICOにT(Time)を加えた5要素のフレームワークです。

Amir-BehghadamiとJanatiは、研究の適格基準を明確に設定するためにPICOS(Population, Intervention, Comparison, Outcome, Study design)という概念を提示し、研究タイプの明示が文献検索の精度を高めると論じました(Amir-Behghadami M, Janati A, 2020)。

このように、PICOに追加要素を加えることで検索の精度が向上するという考え方が、PICOTの普及を後押ししてきました。

T(Time)を加える意味

T(Time)は「どの時点・どの期間を対象とするか」を定義する要素です。

リハビリテーション研究では、介入の効果が観察される時間軸が結果に大きく影響します。

たとえば、脳卒中急性期(発症2週間以内)と慢性期(発症6か月以降)では、上肢機能の回復メカニズムが異なるため、同じ介入でも効果量に差が生じることがあります。

Tを明示することで、「自分が関心を持つ回復段階に合った論文」を絞り込めます

PICOTの5つの構成要素

  • P(Patient):対象患者・対象集団
  • I(Intervention):介入・治療法
  • C(Comparison):比較対照・通常治療
  • O(Outcome):アウトカム・評価指標
  • T(Time):介入期間・評価時期・発症からの経過時間

PT/OT実例:脳卒中6か月後の上肢機能訓練

PTが「脳卒中発症後6か月以上経過した慢性期患者に対して、集中的上肢訓練は通常の訓練と比較して上肢機能改善に効果があるか」を調べたいとします。

この疑問をPICOTで定式化します。

要素内容
P(Patient)脳卒中後6か月以上経過した慢性期成人患者(上肢麻痺あり)
I(Intervention)1日2時間以上の集中的上肢訓練(課題指向型・CIMT等)
C(Comparison)通常強度の上肢訓練(1日30〜60分程度)
O(Outcome)Fugl-Meyer Assessment上肢スコア・WMFT・ARAT
T(Time)4〜6週間の介入期間、介入終了直後および3か月後の評価

PubMedでの検索キーワード例:chronic stroke upper limb intensive training randomized controlled trial 6 months

Tを加えることで、急性期・回復期・慢性期を混在させた研究ではなく、自分が関わる患者層に適した時期の論文を効率よく見つけられます

発症からの時期によって介入の意義が変わることは、脳卒中リハビリの大きな特徴のひとつです。

複数キーワードを組み合わせた詳細な検索方法については、PubMed複数キーワード検索方法の記事もご参考にしていただけますか。

PO(Population-Outcome)|疫学・予後研究向け

POの構成要素と特徴

POはPICOをさらにシンプルにした2要素のフレームワークです。

  • P(Population):対象集団。疾患・年齢・重症度などで定義します。
  • O(Outcome):アウトカム。その集団に何が起きるか、どのような予後を辿るかを問います。

介入(Intervention)も曝露(Exposure)も問わず、「この患者集団に何が起きるか」という予後・自然経過を純粋に調べる場面で使います。

POをいつ使うか

POは以下のような疑問に向いています。

  • 疾患の自然経過・長期予後を調べる疫学研究
  • 「〜の患者はどのような転帰を辿るか」という予後予測研究
  • 介入の有無を問わず集団全体の特性を調べる記述的研究

PT/OT実例:脳卒中後の長期生活機能予後

PTが「脳卒中後に回復期リハビリ病棟を退院した患者は、1年後にどの程度の歩行能力を維持しているか」を調べたいとします。

この疑問は特定の介入効果を比較するものではなく、集団全体の転帰を知ることが目的です。

要素内容
P(Population)回復期リハビリ病棟を退院した脳卒中後成人患者
O(Outcome)退院後1年時点での歩行能力(FIM歩行・10m歩行テスト等)

PubMedでの検索キーワード例:stroke rehabilitation discharge walking ability long-term outcome cohort

別の実例として、OTが「脳卒中後に認知機能低下を合併した患者は、日常生活動作の自立度がどのように推移するか」を知りたい場面でもPOが適しています。

要素内容
P(Population)脳卒中後に認知機能低下(MoCA 26点以下など)を有する成人患者
O(Outcome)発症後2年時点でのADL自立度(Barthel Index・FIM)

POはシンプルな構造ゆえに疑問が広くなりがちなため、Population(対象集団)の定義をできるだけ具体的にすることが重要です。

年齢・疾患重症度・罹患部位・経過期間などを加えることで、より精度の高い検索が可能になります。

5フレームワークの使い分けマップ

5フレームワーク使い分けフロー:介入の有無・比較対照・質的研究の3分岐でPICO/PEO/SPIDER/POを選択
5フレームワーク使い分けフローチャート

どのフレームワークを使うかは、クリニカルクエスチョンの性質によって決まります。

以下の判断ステップで選んでいただけますか。

ステップ1:体験・意味・プロセスを問う質的疑問か

「患者さんはどのような体験をしているか」「なぜそのような行動をとるのか」という疑問であれば、SPIDERを選びます。

ステップ2:介入効果を比較する量的疑問か

「介入Aと介入Bを比較して、アウトカムに差があるか」という疑問であれば、PICOまたはPICOTを選びます。

時間軸(いつ、何週間後に)が重要であればPICOT、時間軸が特に問わなければPICOが適しています。

ステップ3:介入なしで要因・環境の影響を調べるか

「〜という要因(環境・職業・生活習慣など)が結果に影響するか」という観察的疑問であれば、PEOを選びます。

ステップ4:介入も要因も問わず、集団の転帰だけを調べるか

「この集団はどのような経過を辿るか」「予後はどうなるか」という疫学的疑問であれば、POを選びます。

迷ったときは、「自分の疑問に介入(Intervention)という概念が入るかどうか」を最初に確認するのが効率的です。

介入がなければPICOは外れ、PEO・PO・SPIDERのいずれかが候補になります。

文献検索を7ステップで体系的に進める方法については、論文検索7ステップの記事もご覧いただけますか。

PubMedで派生フレームワークを使う実例

各フレームワークをPubMedの検索式に展開する方法を、具体的なサンプルとともに説明していきます。

PubMedの基本的な使い方については、PubMedの使い方の記事で詳しく解説しています。

PEO検索式サンプル:転倒リスク要因

臨床疑問:「脳卒中後の在宅患者において、在宅環境要因は転倒に関連するか」

("stroke"[MeSH Terms] OR "cerebrovascular accident"[Title/Abstract])
AND ("home environment"[Title/Abstract] OR "environmental factors"[Title/Abstract] OR "home hazard"[Title/Abstract])
AND ("falls"[MeSH Terms] OR "fall risk"[Title/Abstract] OR "accidental falls"[MeSH Terms])
AND ("observational study"[Publication Type] OR "cohort study"[Title/Abstract] OR "cross-sectional"[Title/Abstract])

PEOのE(Exposure)に当たるキーワード(home environment・environmental factors)を中心に組み立てることで、介入研究を除いた観察研究に絞り込めます

SPIDER検索式サンプル:患者体験の質的研究

臨床疑問:「脳卒中後に作業療法を受けた患者はADL再学習にどのような体験をしているか」

("stroke"[MeSH Terms] OR "cerebrovascular accident"[Title/Abstract])
AND ("occupational therapy"[MeSH Terms] OR "occupational therapist"[Title/Abstract])
AND ("patient experience"[Title/Abstract] OR "lived experience"[Title/Abstract] OR "perception"[Title/Abstract])
AND ("qualitative"[Title/Abstract] OR "qualitative research"[MeSH Terms] OR "interview"[Title/Abstract] OR "phenomenolog*"[Title/Abstract])

SPIDERのR(Research type)に対応する「qualitative」「interview」「phenomenolog*」を必ず入れることが、質的研究に絞り込む鍵です。

アスタリスク(*)はtruncationといい、phenomenologyやphenomenologicalなど語尾が変化する語をまとめて検索できます。

PICOT検索式サンプル:慢性期上肢集中訓練

臨床疑問:「脳卒中発症後6か月以上経過した慢性期患者に対し、4週間以上の集中的上肢訓練は通常訓練より上肢機能を改善させるか」

("stroke"[MeSH Terms] OR "cerebrovascular accident"[Title/Abstract])
AND ("chronic"[Title/Abstract] OR "chronic phase"[Title/Abstract])
AND ("upper limb"[Title/Abstract] OR "upper extremity"[MeSH Terms] OR "arm"[Title/Abstract])
AND ("intensive training"[Title/Abstract] OR "constraint-induced"[Title/Abstract] OR "CIMT"[Title/Abstract] OR "task-oriented"[Title/Abstract])
AND ("randomized controlled trial"[Publication Type] OR "RCT"[Title/Abstract])
AND ("4 weeks"[Title/Abstract] OR "6 weeks"[Title/Abstract] OR "12 weeks"[Title/Abstract])

T(Time)に対応するキーワード(4 weeks・6 weeks・chronic)を追加することで、急性期・回復期の論文を除外できます

PO検索式サンプル:脳卒中後の歩行能力予後

臨床疑問:「回復期リハビリ病棟退院後の脳卒中患者は1年後にどの程度の歩行能力を有しているか」

("stroke"[MeSH Terms] OR "cerebrovascular accident"[Title/Abstract])
AND ("rehabilitation"[MeSH Terms] OR "inpatient rehabilitation"[Title/Abstract] OR "convalescent rehabilitation"[Title/Abstract])
AND ("walking"[MeSH Terms] OR "gait"[MeSH Terms] OR "ambulation"[Title/Abstract] OR "walking ability"[Title/Abstract])
AND ("long-term outcome"[Title/Abstract] OR "1 year"[Title/Abstract] OR "12 months"[Title/Abstract] OR "prognosis"[MeSH Terms])

POでは介入・比較のキーワードを入れず、アウトカムと経過期間のキーワードに集中することが、予後研究を絞り込む基本です。

PRISMA 2020の報告基準に従ったシステマティックレビューの方法論については、Page MJ et alの論文(Page MJ et al, 2021)が参考になります。

検索式の詳細な組み方については、PubMed複数キーワード検索方法の記事でも解説しているので、あわせてご確認いただけますか。

まとめ

本記事では、PICOの4つの派生フレームワーク——PEO・SPIDER・PICOT・PO——を解説しました。

PEOは観察研究・要因疫学向けで、介入ではなく曝露因子(環境・職業・生活習慣など)を問う場面に使います。

SPIDERは質的研究向けで、患者の体験・意味・意思決定プロセスを探る研究の文献検索に適していますCooke et al, 2012)。

PICOTはPICOに時間軸(T)を加えたフレームワークで、発症からの時期や介入期間が重要な脳卒中リハビリ研究に特に有用ですAmir-Behghadami & Janati, 2020)。

POは介入・要因を問わず集団の転帰だけを調べる、最もシンプルな予後研究向けのフレームワークです。

どのフレームワークを使うかは「疑問の性質」によって決まります。

まず「介入があるかどうか」「量的か質的か」「時間軸が重要か」の3点を確認することで、自然と適切なフレームが選べるようになります。

EBPの出発点であるクリニカルクエスチョンの立て方については、クリニカルクエスチョンの種類と定式化の記事も参考にしていただけますか。

文献検索を体系的に学びたい方は、論文検索7ステップの記事から始めていただくと、全体像が把握しやすくなります。

参考文献
1. Sackett DL, et al. Evidence based medicine: what it is and what it isn’t. BMJ. 1996;312(7023):71-72. PMID: 8555924
2. Cooke A, Smith D, Booth A. Beyond PICO: the SPIDER tool for qualitative evidence synthesis. Qual Health Res. 2012;22(10):1435-1443. PMID: 22829486
3. Amir-Behghadami M, Janati A. Population, Intervention, Comparison, Outcomes and Study (PICOS) design as a framework to formulate eligibility criteria in systematic reviews. Emerg Med J. 2020. PMID: 32253195
4. Page MJ, et al. The PRISMA 2020 statement: an updated guideline for reporting systematic reviews. BMJ. 2021;372:n71. PMID: 33781993

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