本記事では、脳卒中患者さんへのホームエクササイズについて、システマティックレビュー論文をもとに大局的に見たときの効果について検証します。

最初に本記事のまとめです。

  • ホームエクササイズは患者さんひとりで行うものと介護者と行うものとがある
  • ホームエクササイズは外来リハビリなどと同等の効果
  • 患者さんのホームエクササイズを適切に管理し、場合によっては多職種連携を!

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ひとりでやるのではなく誰かが手伝うエクササイズ

ホームエクササイズは名前の通り自宅で行う運動を指します。

患者さんひとりで行う場合と家族など介護者の方と一緒に行う場合がありますが、本記事で取り扱うホームエクササイズは介護者の方が一緒に行うエクササイズです。

リハビリの多くは運動を通して改善を図るものです。

セラピストは患者さんの運動(運動量や頻度、運動のやり方など)をコントロールします。

もし家族の方が適切に運動をコントロールできれば、同じようにリハビリ効果が得られてもおかしくないですよね。

実際、各種アウトカムで同等の効果が認められています。

ホームエクササイズは外来リハビリなどと同等の効果

Vloothuis JDら(2016)はシステマティックレビューとメタアナリシスにて、脳卒中患者さんに対するホームエクササイズは外来リハビリなどと比べて、次のアウトカムで同等の効果であることを報告しています。

ADL(BADL、IADLどちらも)
介護負担感
歩行能力(歩行速度、歩行距離)
上下肢運動機能
日常生活での上肢の使用量(MALAOU) など

また、次のアウトカムではホームエクササイズの方が効果的であることを報告しています。

バランス
上肢の日常生活での使用の質(MALQOM)など

患者さんのホームエクササイズを確認したい!

ホームエクササイズは侮れません。

しっかりと患者さんや家族の方へ伝えることができれば、退院後も患者さんを支援することができそうです。

病院を退院するときにホームエクササイズ資料を渡すセラピスト、渡される患者さんは多いと思います。

せっかくなので、外来リハビリや訪問リハビリなど退院後のリハビリを担当するセラピストと情報共有してみてはいかがでしょう?

患者さんへのよりよいサポートにつながると思います!

参考文献

Vloothuis JD, Mulder M, Veerbeek JM, Konijnenbelt M, Visser-Meily JM, Ket JC, Kwakkel G, van Wegen EE. Caregiver-mediated exercises for improving outcomes after stroke. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Dec 21;12:CD011058.