リハビリの最新情報は基本的に英語で出版されます。

そのため、英語論文を読める人は最新の情報を入手できますし、最新の情報に基づいたリハビリを行えます。

今が2022年なら、2022年の情報をもとにリハビリをできるセラピストになりたいですよね。

でも、『英語論文を読むのは難しそう…』という苦手意識がある方も多いのではないでしょうか?

本記事では、英語のスキルが “全く” ない1年目のセラピストでも英語の論文を読めるようになる方法を紹介します。

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英語論文を読む手順

まず、英語論文を読む手順をざっくり紹介します。

  • Google Chromeをインストールする
  • 拡張機能をインストールする
  • 文献を検索する(過去記事参照)
  • 本文を見つける(拡張機能の活用)
  • Google翻訳もしくはDeepL翻訳を使う

これらの手順を踏むことで、英語を全く読めなくても英語論文を読むことができるようになります。

以下、詳しく説明します。

Google Chromeをインストール

まずはGoogle Chromeをインストールします。

これは、ウェブブラウザのひとつです。

“ウェブブラウザ” という言葉を初めて聞く方もいると思いますが、SafariやEdgeの仲間だと思っていただければOKです。

WindowsではEdgeやInternet Explorer、MacではSafariが標準ブラウザになっています。

Google ChromeはWindowsやMacには標準搭載されていないので、インストールする必要があります。

インストールは無料で行えます。

Google Chromeのインストールはこちら

Google Chromeは、これから紹介する拡張機能の土台になります。

Google Chromeに拡張機能をつけて英語論文を読めるようにする

拡張機能を追加する

Google Chromeをインストールできたら、拡張機能を追加します。

拡張機能というのは、追加できるオプション機能のことです。

スマホにいろいろなアプリをダウンロードして、システム手帳にしたり、日記にしたり、ゲーム機にしたり、スマホを進化させますよね?

そんなイメージです。

Google Chromeに拡張機能を追加することで、『英語論文を読めるようにするWebブラウザ』に進化させます。

以下、追加すべき拡張機能です。

Unpaywall(無料)

Unpaywallは論文を無料で読めるようにするためのツールです。

研究論文にはSPINという問題があり、アブストラクトだけ読むのはNGです。

SPIN
ざっくり説明すると、『研究で得られた結果と、著者らの執筆した文章との間に違いがある』こと。多くは、効果や成果を大きく主張するために使われる。例えば、研究結果としてはリハビリXは有効とは言えないはずなのに、アブストラクトには『リハビリXは有効であった』などと記されるケースがある。
詳細はこちらの記事をご覧ください

したがって、基本的には本文をきちんと読む必要があります。

しかし、PubMedで文献検索すると、『アブストラクト(要旨)は無料で読めるけど、本文は有料』という文献に出会うことがあります。

有料だと読めない、という人もいますよね。

そんな時、Unpaywallが便利です。

Unpaywallは、当該論文がWeb上のどこかで無料公開されている場合、それを見つけて教えてくれます。

Unpaywall

Unpaywallは無料で追加できる拡張機能なので、入れておきましょう。

Unpaywallの追加はこちら

ちなみに

『Unpaywallを使っても論文が手に入らない!』

…とお困りの方はこちらの記事をご覧ください。

有料論文を無料で手に入れる4つの方法を紹介しています。

DeepL翻訳(有料)

DeepL翻訳は、Webページ全体を英語から日本語に自動で翻訳してくれます。

PubMedで検索した論文の中には、無料で全文読めるものもあります。

無料で全文読める論文

もちろん英語ですが、DeepLが入っているとこうなります。

DeepL翻訳の拡張機能を使った場合

つまり、これがあれば英語論文を日本語論文として読むことができます。

DeepL翻訳には無料プランと有料プランがあります。

無料プランならこのURLからゼロ円で使うことができますが、論文の文章をコピペする手間がかかります。

上の図で示したようにコピペなしで自動翻訳をしてほしいなら(=Google Chromeの拡張機能としてDeepL翻訳を使うなら)、有料プランの契約が必要になります。

DeepL翻訳の有料プラン

有料プランは月額換算で750円(年払い・STARTERの場合)です。

安いと思う人は導入してみてはいかがでしょうか。

ちなみに私はSTARTERプランで契約しています。

なお、DeepL翻訳を契約する前に、Google翻訳の拡張機能を試してみるのもいいかもしれません。

Google翻訳の拡張機能を追加するならこちら

Google翻訳の拡張機能は無料で使うことができます。

ただし、Google翻訳の日本語への翻訳制度は、DeepL翻訳と比べると低いように思います。

そのため、個人的にはDeepL翻訳の拡張機能をお勧めします。

Shaper

Shaperは拡張機能ではないですが、便利なツールなので紹介します。

Shaper

UnpaywallやPaper Pandaが見つけてきてくれる文献は、PDFのことが多いです。

PDFだとDeepL翻訳やGoogle翻訳の拡張機能が使えません。

なので、PDFの文章をコピーしてDeepL翻訳に貼り付け、日本語に直す必要があります。

でも、このときこういう問題が起こることがあります。

これを手動で修正していくのが面倒くさいんですよね…

そんなとき、Shaperが役立ちます。

変なところで改行されている文章でも、Shaperに貼り付けることで自動で修正してくれます。

Shaperに貼り付けるだけで文章を整えてくれる

この後、『DeepLで翻訳』ボタンを押します。

DeepLボタンを押す

すると、修正した文章をDeepLで翻訳してくれます。

DeepL翻訳で日本語にしてくれる

以上、Unpaywall、DeepL翻訳、Google翻訳、Shaperを使うことで、英語のスキルがゼロのセラピストでも、英語論文を読むことが可能です。

英語論文を臨床に活かすためには…

ここまで、英語論文を読む方法をお伝えしました。

ですが、英語論文を読んでみても、その情報を臨床へ活かせるようになるためにはもう少し勉強を要します。

研究デザインの知識や、バイアスリスクの知識など、少しずつ勉強していきましょう!

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