
脳卒中後に不安障害を発症し、外出が怖いと感じる方は少なくありません。発症から1年以内におよそ3人に1人が不安症状を経験すると報告されています(Rafsten, 2018)。
退院して家に戻ったあと、玄関を出る前に動悸がする、人混みが怖くて買い物に行けない、また倒れたらどうしようと考えて夜眠れない――。
そんな症状は「気持ちの問題」や「性格の問題」ではなく、脳卒中のあとに起こりやすい身体の変化のひとつです。
この記事では、脳卒中後の不安障害・パニック・外出への不安について、なぜ起こるのか、どうすれば落ち着いて生活を取り戻せるのかを、脳卒中専門リハビリ施設BRAINの代表で理学療法士の針谷が、臨床経験と研究論文に基づいて解説します。
・本記事の情報は、信頼性の高い研究論文から得られたデータを中心に引用しています。
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・顔のゆがみ(片側が下がる)
・片腕の脱力(腕が上がらない)
・言葉のもつれ(ろれつが回らない)
また、不安・パニック症状に関しては、以下の場合は早めにかかりつけ医・精神科・心療内科への相談を検討してください。
・「死にたい」「消えてしまいたい」という気持ちが出てくる
・2週間以上、強い不安や動悸が毎日続く
・外出がほぼできず、生活や家族関係に支障が出ている
・突然強い動悸・息苦しさ・めまいが繰り返し起こる(パニック発作)
・お酒や市販薬で不安をしずめようとする回数が増えている
脳卒中 不安 外出が怖い|まず知っておきたいこと
脳卒中のあとに感じる不安は、医学的には「脳卒中後不安(post-stroke anxiety)」と呼ばれます。
「うつ」とは別の症状で、外出への恐怖、動悸、過度な心配、パニック発作などが代表的なサインです。
2026年に公開された総説では、脳卒中後の不安と抑うつは「気持ちの弱さ」ではなく、脳の神経生物学的な変化と生活環境の変化が組み合わさって起こると説明されています(Xie, 2026)。
自分を責めずに、症状として受け止めて対処していくことが大切です。
どのくらいの人が経験するのか(有病率データ)
2018年に公開された複数の研究をまとめた分析によると、発症から1年以内に不安症状を経験する方は29.3%(95%信頼区間 24.8〜33.8%)と報告されています(Rafsten, 2018)。
時期別に見ると、発症0〜2週で36.7%、2週〜3か月で24.1%、3〜12か月で23.8%でした。
発症直後がもっとも不安症状が出やすく、時間とともに少しずつ落ち着いていく傾向があります。
2024年に公開された若年成人(おおむね60歳未満)の方を対象とした分析では、若年層の方の不安症状の頻度はさらに高いと報告されています(Ignacio, 2024)。
2026年に公開された若年層対象の分析では、不安症状の頻度は35%(95%信頼区間 29〜41%)で、女性では43%と男性(32%)より高い傾向が報告されています(Tong, 2026)。
「不安障害」と「うつ」はどう違うのか
不安障害とうつは、似ているようで違う症状です。
両方が同時に起こることもありますが、対処の方向性が少し異なるため、自分の状態を整理しておくと相談しやすくなります。
| 区分 | 代表的な症状 | 特徴 |
|---|---|---|
| 不安障害 | 動悸、息苦しさ、過度な心配、外出への恐怖 | 「これから何か悪いことが起きるのでは」という未来への不安が中心 |
| パニック発作 | 突然の激しい動悸、めまい、息苦しさ、手足のしびれ | 数分〜10分程度でピークに達し、特定の場面(電車・人混み等)と結びつきやすい |
| うつ(抑うつ) | 気分の落ち込み、興味の喪失、意欲の低下 | 「もう自分には何もできない」という過去・現在への重さが中心 |
| 転倒恐怖 | 「また転びそう」と感じて動くのをためらう | 不安障害とは別概念だが、外出への怖さに直結する |
気分の落ち込みが中心の方は、脳卒中後うつ|やる気が出ないは後遺症かもしれないもあわせて参考にしてください。
なぜ脳卒中のあとに不安が強くなるのか
脳卒中後の不安には、いくつかの背景が重なっています。
ひとつの原因ではなく、脳の変化と環境の変化と転倒への怖さが重なって生じるのが特徴です(Xie, 2026)。
脳の変化による影響
脳卒中によって感情や自律神経をコントロールする領域がダメージを受けると、不安を感じやすくなることがあります。
2026年に公開された総説では、脳卒中後の不安・抑うつには神経生物学的な要因が深く関わっていると報告されています(Xie, 2026)。
「怖がりになったのは自分の弱さのせい」ではなく、脳の変化に伴う症状のひとつです。
再発への恐怖
「また脳卒中になったらどうしよう」という再発への恐怖は、多くの方が経験する自然な反応です。
2024年に公開された中国・湖南省の研究(947名対象)では、睡眠時間の不足・偏頭痛・脂質異常症・脳卒中の家族歴が不安症状と関連すると報告されています(Luo, 2024)。
つまり、血圧管理や睡眠を整えることが、不安を和らげる土台にもなるということです。
再発予防の具体策については、脳卒中後の血圧管理|家庭での測り方と目標値もあわせてご覧ください。
転倒への怖さ(外出が怖い大きな理由)
外出が怖くなる背景には、もうひとつ大きな要因があります。
それが「転倒恐怖(fear of falling)」です。
2024年に公開された分析(25件の観察研究+10件の介入研究)では、脳卒中を経験された方の42〜93.8%が転倒への強い恐怖を感じていると報告されています(Tian, 2024)。
2026年に公開された入院リハビリ中の調査でも、61.5%の方が「強い転倒恐怖」を感じていたと報告されています(Krysiak, 2026)。
そして転倒恐怖は、実際の転倒リスクとも関連します。
2024年に公開された分析(26件・約2,863名)では、転倒恐怖がある方は実際に転びやすい傾向(相対リスク1.44倍)が報告されています(Pin, 2024)。
つまり、外出への怖さは「気にしすぎ」ではなく、バランス機能とセットで取り組むべき課題です。
生活環境の変化と社会的孤立
退院後は生活の場が病院から自宅に変わります。
仕事の中断、家族関係の変化、外出の機会の減少が、不安を強めることがあります。
2026年に公開された総説でも、社会的サポートが不足すると不安症状が長引きやすいと報告されています(Xie, 2026)。
こんな症状・困りごとはありませんか?
以下に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
ひとつでも当てはまる場合は、早めの対処で大きく楽になる可能性があるサインです。
- 玄関の前に立つと動悸がして外に出られない
- 人混み・電車・スーパーなどで急に息苦しくなる
- 「また倒れたらどうしよう」と何度も同じことを考えてしまう
- 外出予定の前夜、緊張して眠れない
- 家族と一緒でないと外に出られなくなった
- 歩いている途中で「転びそう」と思って足が止まる
- 突然強い動悸・めまい・息苦しさが数分間続くことがある(パニック発作)
BRAINに来られる方でも、「リハビリは前向きに取り組んでいるのに、外出だけが苦手」とおっしゃる方が多くいます。
外出への不安は、動かない時間が長くなることでさらに体力・バランスの低下を招きやすい面があります(Tian, 2024)。
気持ちの問題として我慢するのではなく、対処の選択肢を知っておくことが大切です。
脳卒中 不安 外出への対処法|研究で確かめられている方法
脳卒中後の不安や外出への怖さには、いくつかの対処法が研究で確かめられています。
大切なのは、「気持ちの問題」と片付けず、心理面と運動面の両方から取り組むことです(Tian, 2024)。
①運動・歩行練習で「動ける自信」を取り戻す
運動は、外出への不安と転倒恐怖の両方に対して効果が確認されています。
2023年に公開された分析(14件の研究、1,211名)では、運動が転倒恐怖を軽減することが示されました(効果の大きさSMD 0.48、95%信頼区間 0.23〜0.72)(Chiu, 2023)。
特に効果が大きかったのは、以下の条件です。
- 週3回以上の運動頻度(SMD 0.70)
- バランスがやや不安定な方(バーグ・バランス・スケールが45点以下)でより大きな効果(SMD 0.53)
- 歩行を中心とした練習でとくに大きな効果(SMD 1.06)
「外を歩くのが怖いから動かない」を続けると、バランスがさらに下がって本当に転びやすくなる悪循環が起こります。
運動量を少しずつ積み上げていくことが、外出への自信を取り戻す近道です。
歩行に不安がある方は、杖を卒業するタイミング|「いつまで必要?」の判断基準と練習メニューも参考にしてください。
②認知行動療法(考え方の整理)と運動の組み合わせ
認知行動療法は、「外に出たら倒れるかもしれない」のような不安な考えを、現実に即した形に整理していく心理的なアプローチです。
2024年に公開された分析では、認知行動療法と運動を組み合わせた介入が、転倒恐怖の軽減にもっとも効果的と報告されています(Tian, 2024)。
2025年に公開された総説でも、認知行動療法・支持的心理療法・音楽療法・運動療法は、脳卒中後の不安と抑うつを和らげる有望な手段と整理されています(Lei, 2025)。
自分でできる工夫として、以下のような方法があります。
- 不安に感じた場面と「そのとき頭に浮かんだ言葉」をノートに書き出す
- 「絶対に倒れる」を「倒れる可能性はゼロではないが、家族と一緒なら対処できる」のように言葉を置き換える
- 1回の外出で達成できたことを記録に残す(玄関を出られた、ポストまで行けた等)
- 小さなゴールを段階的に設定する(玄関→門→近所のポスト→近所のコンビニ→駅)
専門的な認知行動療法は、精神科・心療内科・公認心理師の方が提供しています。
かかりつけ医に「外出が怖い症状があるので相談先を紹介してほしい」と伝えると、対応窓口を案内してもらえます。
③マインドフルネス(呼吸と気づきの練習)
マインドフルネスは、いまの呼吸や体の感覚に注意を向けて、不安の流れに巻き込まれにくくする練習です。
2026年に公開された研究(慢性期59名対象)では、オンラインのマインドフルネス・プログラムと脳の健康教育プログラムを比較したところ、両群とも不安・抑うつが改善したと報告されています(Lwi, 2026)。
一方、2024年に公開された入院リハビリ中の研究(93名対象)では、6週間のマインドフルネス認知療法と通常ケアの間で不安・抑うつに有意差は出ませんでした(Udvardi, 2024)。
つまり、マインドフルネスは「効く方には効くが万能ではない」という位置づけです。
運動や認知行動療法と組み合わせる選択肢のひとつとして検討する価値があります。
④薬による治療(精神科診療領域での選択肢)
不安症状が強く生活に大きく影響している場合、薬による治療も選択肢になります。
精神科診療領域での報告ですが、2026年に公開された総説では、中等度〜重度の不安・抑うつには選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やSNRIなどが選択肢として用いられていると整理されています(Xie, 2026)。
ただし、薬の選択は脳卒中後の状態(飲んでいる薬・てんかんの既往・腎機能等)によって慎重に判断する必要があります。
自己判断で市販薬や家族の薬を使うのは避け、かかりつけ医・脳神経内科・精神科への相談を通じて検討してください。
⑤目標設定の工夫(日本人の研究データ)
2025年に公開された日本の回復期リハビリ病棟での研究(32名対象)では、患者さん自身が「もっとも優先したい目標」を選ぶ群と、療法士が提案する目標に同意する群を比較しました(Takarada, 2025)。
結果として、患者さん自身が優先目標を選ぶ群では治療への取り組み(治療エンゲージメント)が有意に向上しました(p<0.001)。
不安・抑うつスコアは両群とも改善が見られました。
「やらされている」ではなく「自分で選んだ」と感じられる目標設定が、気持ちの面でも大切だということです。
リハビリのモチベーションについてはリハビリのモチベーションが続かない|本人と家族ができることもあわせてご覧ください。
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外出を再開するための段階的なステップ
「いきなり一人で駅まで」は、ハードルが高すぎることが多いです。
小さなステップに分けて、「できた」を積み重ねるのがコツです(Chiu, 2023)。
ステップ1:自宅内&玄関先からの再開
まずは自宅内で歩く時間を増やします。
外出が怖い方ほど、家の中で動く量も減りがちです。
家の中で1日3,000歩を目標にする・玄関の外に出て深呼吸を1分するだけでも、「外と接した時間」を脳に積み重ねていく練習になります。
ステップ2:家族と短時間の近所散歩
家族と一緒に、5〜10分の近所散歩から始めます。
時間帯は人が少ない朝・夕方を選ぶと安心しやすいです。
「行って帰ってこられた」という事実が、不安をやわらげる成功体験になります。
ステップ3:目的のある外出(買い物・通院など)
家族同伴で、近所のコンビニ・スーパー・通院に出かけます。
目的があると、不安よりも「やること」に意識が向きやすくなります。
パニック発作が出やすい方は、外出前に「もし発作が出たら→ベンチに座って深呼吸を6回する」のように、対処手順を事前に決めておくと安心です。
ステップ4:一人で短距離の外出
家族の付き添いを少しずつ減らして、一人で行ける範囲を広げていきます。
スマートフォンを携帯し、GPS共有や緊急通報の設定をしておくと、家族側の安心にもつながります。
不安は時間とともにどう変化するか
不安は、時間の経過とともに変化していきます。
2022年に公開されたノルウェーでの2年間の追跡研究では、興味深い結果が報告されています(Sagen-Vik, 2022)。
| タイプ | 2年後の回復率 |
|---|---|
| パニック障害 | 83% |
| 全般性不安障害 | 60% |
| 社交不安 | 50% |
パニック発作は時間とともに大きく改善する方が多い一方、全般性不安や社交不安は積極的な対処が必要な場合があります。
2024年に公開された脳卒中既往の喫煙者を対象とした追跡研究では、3か月時点の不安症状の頻度は男性18.9%・女性40.5%と性差が報告されています(Suñer-Soler, 2024)。
女性の方が不安症状を訴える頻度が高い傾向は、複数の研究で一貫しています。
「自分だけが弱い」「自分だけが時間がかかっている」と感じる必要はありません。
ご家族・周囲の方へ
不安や外出への怖さは、外から見えにくい症状です。
「動けるのに動かない」「甘えている」と捉えてしまうと、本人の安心感を損ない、外出機会がさらに減ってしまうことがあります。
家族ができる5つのこと
- 「気のせい」「気にしすぎ」と言わない
脳卒中後の不安は脳の変化や転倒恐怖が背景にあり、本人の意志ではコントロールしにくい部分があります。 - 段階的な目標設定をいっしょに考える
「明日からスーパーに行こう」ではなく、「今週は玄関先で3分過ごす」のように小さく設定します。 - 付き添い外出を「楽しみ」とセットにする
近所のカフェ・公園・季節の花など、本人が楽しめる目的地を選びます。 - 「できた」を言葉にして共有する
「今日は玄関から門まで歩けたね」と小さな進歩を声に出すと、本人の自信になります。 - パニック発作が出ても落ち着いて対応する
そばに座って一緒に深呼吸する、「数分でおさまる」と伝える、無理に動かそうとしない。
受診を勧めたほうがよいサイン
以下の症状がある場合は、ご家族から受診を促してください。
- 2週間以上、毎日のように不安・動悸が強い
- 食事・睡眠に支障が出ている
- 「死にたい」「消えたい」という言葉が出る
- お酒・市販薬の量が増えている
- パニック発作が週に何度も起こる
相談窓口・地域の支援先
不安症状やパニックが続く場合は、以下に相談できます。
- かかりつけ医:まずは脳卒中の主治医に「外出が怖い」「動悸がする」と伝えてください。精神科・心療内科・神経内科への紹介を検討してもらえます。
- 精神科・心療内科:不安障害・パニック障害・うつの専門的な評価と治療(認知行動療法・薬物療法)が受けられます。
- 地域包括支援センター:訪問リハビリ・デイサービス・社会参加の場の紹介を受けられます。お住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
- 脳卒中相談窓口(一部の認定病院に設置):退院後の生活、リハビリ、福祉サービスについて幅広く相談できます。
- こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556):都道府県・指定都市が実施する、こころの健康に関する電話相談窓口です。
よくある質問(FAQ)
Q. 外出が怖いのは時間が経てば自然に治りますか?
多くの方は時間とともに楽になりますが、放置すると長引くこともあります。
2022年に公開された2年間の追跡研究では、パニック障害は83%の方が回復した一方、全般性不安は60%、社交不安は50%の方が2年後も症状が残っていたと報告されています(Sagen-Vik, 2022)。
「自然に治るかもしれないけれど、早めに対処したほうが楽になりやすい」と考えるのが現実的です。
Q. パニック発作が出たとき、どう対処すればいいですか?
パニック発作は、強い動悸・息苦しさ・めまいが数分〜10分でピークに達して自然に落ち着くのが一般的です。
とっさの対処として、以下が役立ちます。
- 安全な場所(ベンチ・店内の椅子)に座る
- 息を「4秒吸う・6秒吐く」をゆっくり繰り返す
- 「これはパニック発作で、数分でおさまる」と自分に言い聞かせる
- 水を一口飲む・冷たいタオルで首を冷やす
ただし、胸の痛みが強い・片側の腕や顔の麻痺・ろれつが回らない・激しい頭痛を伴う場合は、パニック発作ではなく脳卒中の再発や心臓の異常の可能性があるため、すぐに119番してください。
Q. 抗不安薬を飲むのは怖いのですが、薬以外の方法はありますか?
薬以外の選択肢として、運動・認知行動療法・マインドフルネスが研究で効果が確かめられています。
2024年に公開された分析では、認知行動療法と運動の組み合わせがもっとも効果的と報告されています(Tian, 2024)。
軽度〜中等度の不安であれば、まず非薬物療法から始める方も多くいらっしゃいます。
ただし症状が強く生活に大きく影響している場合は、薬の使用も含めて主治医と相談することをおすすめします。
Q. 外出を控えていれば再発リスクは下がりますか?
むしろ逆で、動かない時間が長くなるほど、体力やバランスの低下が進み、別のリスクが増える可能性があります。
2024年に公開された分析でも、活動量を減らすことで筋力やバランスがさらに低下し、転倒リスクが上がる悪循環が指摘されています(Tian, 2024)。
再発予防には、血圧管理・薬の継続・適度な運動・禁煙が中心です。
外出を「怖いから避ける」ではなく、「安全な範囲で続ける」ことが、再発予防と心の健康の両方に役立ちます。
Q. 家族はどう接するのが正解ですか?
「外に出よう」と急かすのではなく、本人のペースを尊重しながら、小さな目標を一緒に立てるのが基本です。
2025年に公開された日本の研究では、患者さん自身が優先目標を選んだ群で治療への取り組みが大きく向上したことが報告されています(Takarada, 2025)。
家族側が「これをやってほしい」と決めるのではなく、本人が選んだ目標を支えるスタンスが、長続きする工夫です。
まとめ
- 脳卒中後の不安症状は、発症から1年以内におよそ3人に1人が経験する一般的な症状
- 「不安」は気持ちの弱さではなく、脳の変化・転倒恐怖・環境変化が重なって生じる
- 外出が怖い背景には、転倒恐怖(脳卒中の方の42〜93.8%)が大きく関わっている
- 研究で効果が確かめられているのは、運動(週3回以上の歩行練習)と認知行動療法の組み合わせ
- 段階的に「自宅内→玄関先→家族と短時間→目的のある外出→一人で短距離」と進めるのが現実的
- 2週間以上、毎日のように強い不安が続く場合は、精神科・心療内科の受診を検討する
次にやるべきこと:今日の中で、玄関を出て深呼吸を3回するところから始めてみてください。それだけでも、「外に接した時間」を脳に積み重ねる第一歩になります。
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参考文献
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最終更新:2026年5月

