
脳卒中後の飲酒の影響は「少量なら大丈夫」と言いきれず、1日2合(純アルコール約40g)を超えると脳卒中の発症リスクが目に見えて上がることが大規模研究で示されています(Toubasi, 2025)。
「お酒は少しなら体に良いと聞いた」「タバコは退院後も続けたい」――。
そんな疑問は、脳卒中を経験された方やご家族の多くが抱えるものです。
結論を先に言うと、喫煙は完全にやめること、飲酒は1日1合未満まで減らすことが、再発予防のうえで国際的に推奨されています。
この記事では、脳卒中とお酒・タバコの関係、許容量の目安、抗血栓薬との相互作用、ガイドラインの推奨、ご家族の関わり方を、脳卒中専門リハビリ施設BRAINの代表で理学療法士の針谷が、臨床経験と研究論文に基づいて解説します。
・本記事の情報は、信頼性の高い研究論文から得られたデータを中心に引用しています。
リハビリの無料体験を実施中!
といった方から選ばれています!
・F(Face):顔のゆがみ、片側の口角が下がる
・A(Arm):片腕がだらりと上がらない
・S(Speech):ろれつが回らない、言葉が出てこない
・T(Time):症状が出た時刻を覚えておき、すぐ119番
また、抗凝固薬(ワーファリン・DOAC)服用中の方は、飲酒後に強い頭痛・嘔吐・意識の混濁が出た場合、脳出血の可能性があるため夜間でも救急受診してください。
脳卒中 飲酒のリスク|お酒は本当に体に悪いのか
脳卒中の経験がある方にとって、お酒は再発リスクと直結する生活習慣のひとつです。
「赤ワインは血管に良い」「少量のお酒はストレス解消になる」といった言説が広まっていますが、近年の大規模研究は「少量でも安全とは言いきれない」方向に動いています。
最新研究が示す飲酒量と脳卒中リスクの関係
2025年に公開された複数の研究をまとめた分析では、大量飲酒で脳卒中(脳梗塞)リスクが約1.5倍に上昇すると報告されています(Toubasi, 2025)。
同じ分析では、ビール・ワイン・蒸留酒のどれを飲むかにかかわらず、量が多いほどリスクが上がることが示されています。
2018年に公開された83件・60万人近くの研究をまとめた個人データ統合分析では、1週間あたり純アルコール100g(日本酒約5合相当)を超えると総死亡リスクが上がりはじめると結論づけられました(Wood, 2018)。
つまり1日あたりに換算すると、純アルコール14g前後、日本酒なら1合未満が安全圏の目安です。
2023年に公開された中国51万人の追跡研究(遺伝学的解析を含む)では、飲酒量と脳卒中リスクの関係は直線的で、少量でもリスクは上がる方向に働くと結論されています(Millwood, 2023)。
この研究は「お酒に弱い遺伝子を持つ人ほど結果的に飲酒量が少なく、脳卒中リスクも低い」という遺伝学的な裏付けを取っており、信頼性が高い分析です。
飲酒で増える脳卒中は「脳出血」が中心
飲酒の影響を強く受けるのは脳梗塞よりも脳出血(特に脳内出血)です。
大量飲酒は血圧を直接押し上げ、血管壁を傷つけるため、出血型の脳卒中につながりやすくなります。
2024年に公開されたフランス全国の集団分析では、慢性的な大量飲酒と一気飲み(イッキ飲み)が、脳出血の主要な発症要因のひとつと報告されています(Dufour, 2024)。
とくに「普段は飲まないが週末にまとめて飲む」というパターンは、脳出血リスクを大きく上げることがわかっています。
「少量なら体に良い」は本当か
かつて「少量の飲酒は心臓を守る」という説が広く知られていましたが、最近の研究はこの考え方を見直しています。
2022年に公開された米国37万人のデータ分析では、少量飲酒の心臓を守る効果は、実際は飲酒者がもともと健康的な生活をしていたことで説明できると結論されています(Biddinger, 2022)。
つまり、お酒そのものに保護効果があるわけではなく、運動・食事・睡眠が良い人がたまたま少量飲んでいただけだという見方です。
脳卒中を経験された方の場合、再発リスクが上がる方向にしか働かないと考えるのが現時点では妥当です。
退院後に飲んでよい量の目安|純アルコール換算
退院後にお酒とどう付き合うかは、主治医・かかりつけ医との相談が必須です。
そのうえで、国際的な研究データから見えてくる「これ以上は明らかに危険」と言える量の目安を共有します。
お酒の種類別・1日の目安量
純アルコール量は「アルコール度数(%)×量(ml)×0.8」で計算されます。
日本酒1合(180ml)はおよそ純アルコール22gにあたり、これが「1ドリンク」の基準になります。
| お酒の種類 | 純アルコール20g相当 | 脳卒中後の目安(参考) |
|---|---|---|
| 日本酒 | 1合(180ml) | 控える/飲むなら半合以下 |
| ビール | 中瓶1本(500ml) | 控える/飲むなら350ml缶1本以下 |
| ワイン | グラス2杯(200ml) | 控える/飲むなら1杯(100ml)以下 |
| 焼酎(25度) | 100ml(0.5合) | 控える/飲むなら50ml以下を水割りで |
| ウイスキー | ダブル1杯(60ml) | 控える/飲むならシングル(30ml)以下 |
厚生労働省「健康日本21」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を男性で1日純アルコール40g以上、女性で20g以上としています。
脳卒中を経験された方は、この基準よりさらに少ない量にとどめるのが安全です。
心房細動がある方は要注意
脳梗塞の原因として知られる心房細動(不整脈の一種)がある方は、特に飲酒に注意が必要です。
2025年に公開された心房細動患者を対象とした国際登録研究では、中等量以上の飲酒で脳卒中・全身性塞栓症のリスクが上がる傾向が報告されています(Oraii, 2025)。
飲酒は心房細動の発作を誘発しやすく、結果的に脳塞栓のリスクが上がるためです。
抗血栓薬と飲酒の相互作用|出血リスクが跳ね上がる
脳卒中を経験された方の多くは、再発予防のために抗血栓薬を服用しています。
抗血栓薬とアルコールの組み合わせは、脳出血・消化管出血のリスクを大きく上げるため、特に注意が必要です。
抗血栓薬の種類と飲酒の影響
| 薬の種類 | 代表的な薬 | 飲酒との関係 |
|---|---|---|
| 抗凝固薬(ワーファリン) | ワーファリン | 飲酒で薬の効き方が変わり、出血が増える方向に振れやすい |
| DOAC | エリキュース、リクシアナ、プラザキサ、イグザレルト | 大量飲酒で消化管出血・脳出血のリスクが上がる |
| 抗血小板薬 | バイアスピリン、プラビックス、エフィエント | 飲酒で胃の粘膜が傷つき、消化管出血の引き金になりやすい |
特にワーファリンを服用中の方は、毎日の飲酒量を一定にすることが大切です。
ある日は飲まず、別の日にまとめて飲むというパターンは、ワーファリンの効き方を不安定にして、出血や血栓の両方のリスクを高めます。
血圧の薬・睡眠薬との組み合わせも注意
抗血栓薬以外にも、飲酒との相性に注意したい薬があります。
- 降圧薬:飲酒で血圧が下がりすぎ、ふらつき・転倒の原因になる
- 睡眠薬・抗不安薬:呼吸抑制・転倒のリスクが大きく上がる
- 抗うつ薬:めまい・眠気が強まり、生活機能が落ちる
- 糖尿病の薬(インスリン・SU薬):低血糖発作の引き金になりやすい
飲酒を再開する前に、お薬手帳を持参して薬剤師または主治医に相談することを強くおすすめします。
脳卒中後の血圧コントロールについては、脳卒中の血圧管理|家庭での測り方と目標値で詳しく解説しています。
リハビリの無料体験を実施中!
といった方から選ばれています!
脳梗塞 タバコのリスク|喫煙は再発の最大要因
脳卒中の生活習慣リスクのなかで、喫煙はもっともはっきりとリスクを上げる要因のひとつです。
飲酒のように「少量なら大丈夫」という安全圏はなく、「吸えば吸うほどリスクが上がる」関係が証明されています。
喫煙で脳卒中リスクは何倍に上がるか
2019年に公開された複数の研究をまとめた分析では、喫煙者は非喫煙者に比べて脳卒中の発症リスクが約1.6倍になると報告されています(Pan, 2019)。
とくに脳梗塞ではリスクの上がり方が大きく、若い年代ほど影響を強く受けることがわかっています。
2025年に公開された米国の研究では、タバコの本数が増えるほど血管内皮の傷み(血管の機能低下)が進むことが客観的に測定されています(Yao, 2025)。
つまり「本数を減らす」だけでは血管の傷みは止まらず、完全禁煙が必要だということです。
「本数を減らす」ではなく「完全禁煙」を目指す理由
2021年に公開された複数の研究をまとめた分析では、タバコの本数を減らす(減煙)だけでは、心血管病のリスクははっきりとは下がらないと報告されています(Chang, 2021)。
同じ研究では、完全に禁煙した方ではリスクが大きく下がることが確認されています。
これは、タバコの煙に含まれる有害物質が「1本でも吸えば血管にダメージを与える」性質をもつためです。
脳卒中の再発予防の観点では、「減らす」ではなく「完全にゼロにする」のが目標になります。
禁煙で再発リスクはどれだけ下がるか
2022年に公開された国際的な分析では、禁煙によって心血管病の再発リスクが下がることが、複数の研究で一貫して示されています(Wu, 2022)。
禁煙の効果は数か月から1年で現れはじめ、長く続けるほど非喫煙者に近いリスクに戻っていきます。
脳卒中・心筋梗塞のあとに禁煙された方は、続けて喫煙された方に比べて、再発リスク・死亡リスクの両方が下がるという報告も複数あります。
受動喫煙と電子タバコ|「自分は吸わない」では足りない
本人が禁煙しても、周囲のタバコの煙を吸い込むだけで脳卒中リスクは上がります。
近年の研究では、受動喫煙・電子タバコ・加熱式タバコのいずれも脳血管に悪影響を与えることが報告されています。
家族の喫煙でも脳卒中リスクは上がる
2024年に公開された中国の10.7年追跡コホート研究では、受動喫煙にさらされている非喫煙者は、初回脳梗塞の発症リスクが上がると報告されています(Lu, 2024)。
2022年に公開された日本の研究(JACC Study)でも、非喫煙の女性が家庭で受動喫煙にさらされると、心血管病の発症が増えることが示されています(Kobayashi, 2022)。
2024年に公開された世界的な検証研究では、受動喫煙が脳卒中・虚血性心疾患・肺がんなど複数の疾患リスクを明確に上げると結論されました(Flor, 2024)。
ご家族にも禁煙をお願いするか、屋外でしか吸わない、車内では絶対に吸わないといった環境調整が必要です。
電子タバコ・加熱式タバコは安全か
「紙巻きタバコから電子タバコに変えた」という方は増えていますが、現時点では安全とは言えません。
2022年に公開された複数の研究をまとめた分析では、電子タバコの使用は脳卒中リスクと関連することが報告されています(Zhao, 2022)。
2023年に公開された米国心臓協会(AHA)の科学声明でも、電子タバコは血圧・心拍を上げ、血管機能を悪化させると明言されました(Rose, 2023)。
つまり、電子タバコや加熱式タバコは「紙巻きより少しマシかもしれない」程度であり、再発予防の観点では使い続けるべきではありません。
とくに脳卒中後の方は、ニコチンが残っている限り血管への影響は続くと考えるのが安全です。
脳卒中経験者の電子タバコ利用は減っていない
2021年に公開された米国の調査では、脳卒中経験者でも電子タバコを使う人が一定数おり、紙巻きとの併用も少なくないことが報告されています(Parikh, 2021)。
「禁煙の手段として電子タバコを使う」というのは現時点では推奨されていません。
後述する保険適用の禁煙外来や薬物療法のほうが、安全性と効果のうえで上回ります。
脳卒中 アルコール 量とタバコのガイドライン推奨
脳卒中の再発予防に関する国際的なガイドラインは、お酒とタバコについてはっきりとした立場をとっています。
海外ガイドラインの推奨
2024年に公開された脳卒中の二次予防に関するライフスタイル介入のまとめでは、「禁煙」「節酒(男性で1日2ドリンク以下、女性で1ドリンク以下)」が再発予防の柱として位置づけられています(Govori, 2024)。
ここで言う1ドリンクは純アルコール14g(日本酒で約3分の2合)にあたります。
2025年に公開された脳卒中の二次予防における生活習慣介入の文献をまとめた分析でも、禁煙・節酒・運動・食事の4本柱がすべての国際ガイドラインで共通の推奨と確認されています(Lin, 2025)。
日本のガイドラインの位置づけ
日本脳卒中協会の「脳卒中予防十か条2025」でも、禁煙と節酒は10項目のなかに明記されています。
日本国内の大規模研究としては、国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC Study)が広く知られており、「1日平均3合以上飲む人は、時々飲む人に比べて脳卒中になりやすい」と報告されています。
とくに脳出血は飲酒量の影響を強く受けるため、日本人の体質を考えると、男性は1日1合まで、女性は半合までに抑えるのが現実的な節酒目標になります。
ガイドラインの推奨まとめ
| 項目 | 推奨内容 |
|---|---|
| 喫煙 | 完全禁煙(紙巻き・電子タバコ・加熱式すべて) |
| 受動喫煙 | 家庭・職場・車内で煙を吸わない環境を作る |
| 飲酒(男性) | 1日純アルコール14〜28g以下(日本酒0.5〜1合)。週3日は休肝日 |
| 飲酒(女性) | 1日純アルコール14g以下(日本酒0.5合まで) |
| 抗血栓薬服用中 | 主治医と相談のうえ、量を一定に。一気飲みは絶対に避ける |
食事・運動と合わせた再発予防の全体像については、脳卒中の再発予防|食事・運動・薬の続け方で詳しく解説しています。
禁煙を続けるための具体的な方法
「やめたいけど、やめられない」――禁煙に関する一番多い相談です。
禁煙は意志の力だけでは続きにくく、薬物療法と行動療法を組み合わせるのが効果的なことが研究で示されています。
禁煙外来を利用する
日本では条件を満たせば、禁煙外来の費用に健康保険が使えます。
主に使われる治療は、ニコチンパッチ(貼り薬)、ニコチンガム、バレニクリン(飲み薬)の3種類です。
2020年に公開された脳卒中・TIA経験者を対象とした文献分析では、禁煙のための薬物療法は脳卒中後の方にも有効で、安全に使えると報告されています(Parikh, 2020)。
2023年に公開された比較研究では、バレニクリンはニコチンパッチよりも心血管病の再発予防効果が高い傾向が示されています(Robijn, 2023)。
自宅でできる禁煙の工夫
薬物療法と並行して、生活面の工夫も大切です。
- タバコ・ライター・灰皿を家から完全に処分する
- 「吸いたい」と思ったら水を1杯飲む、深呼吸を5回するなど別の行動に置き換える
- 食後・コーヒー・お酒など「吸いたくなる場面」を意識し、行動パターンを変える
- 禁煙アプリ・カレンダーで「禁煙した日数」を見える化する
- ご家族・職場に禁煙を宣言し、応援してもらう
体重が増えるのが心配な場合
禁煙後に体重が2〜4kg増える方は珍しくありません。
ただし、禁煙による再発リスクの低下は、体重増加のデメリットをはるかに上回ります。
体重対策としては、間食を野菜・果物・無糖の飲み物に置き換える、毎日20分ほどの歩行を加えるなどが現実的です。
食事面については、脳梗塞後に食べてはいけないもの|再発を防ぐ食事の基本でも詳しく解説しています。
節酒を続けるための具体的な方法
禁酒・節酒は禁煙よりも周囲の理解を得にくく、付き合いの場で崩れやすいのが特徴です。
無理に「ゼロ」を目指すよりも、段階的に量を減らしていく方法が現実的です。
日常生活でできる節酒の工夫
- 飲む前に「今日は何杯まで」と自分で決めて家族に伝える
- 家にお酒を買い置きしない(飲みたい日に1本だけ買う)
- 水・お茶・ノンアルコール飲料を交互に飲む
- 飲み会では最初の1杯だけお酒、あとはノンアルコールに切り替える
- 休肝日を週3日以上設け、カレンダーに丸印をつける
- 空腹で飲まない(おつまみを先に食べる)
- 寝る3時間前以降は飲まない(睡眠の質と血圧への影響を抑える)
アルコール依存が疑われる場合
「自分の意志ではやめられない」「やめると手が震える」「日中も飲みたくなる」――こうした状態はアルコール依存の可能性があります。
無理に1人で減らそうとせず、精神科・心療内科・依存症専門外来に相談することをおすすめします。
飲酒量を抑える薬(断酒薬・節酒薬)も日本で処方できるようになっており、選択肢は広がっています。
家族ができるサポート|責めずに環境を変える
禁煙・節酒は本人の努力だけでは続きにくく、ご家族のサポートが大きな力になります。
大切なのは「責める」のではなく、本人が選びやすい環境に変えていくことです。
家族の関わり方の基本
- 「また飲んでる」と責めるのではなく、「水を一緒に飲もう」と声をかける
- 家庭内でタバコを吸わない・お酒を見える場所に置かないなど環境を整える
- 禁煙・節酒の目標を一緒に決めて、達成したら小さなご褒美を用意する
- 家族自身も同じタイミングで禁煙・節酒に取り組む(受動喫煙対策にもなる)
- 主治医・薬剤師・看護師に同席して、相談内容を共有する
うまくいかない時の考え方
禁煙・節酒の途中でつまずくことは珍しくありません。
「1本吸ってしまった」「飲み会で2合飲んでしまった」――こうした時に大切なのは、責め合いではなく「次の1週間をどう過ごすか」を一緒に考えることです。
禁煙・節酒は「完璧にやめる」よりも「続ける」ことのほうが、長期的な再発予防には効きます。
糖尿病をお持ちの方の場合は、飲酒・喫煙の影響がさらに大きくなります。あわせて脳卒中と糖尿病の関係|再発リスクと血糖管理もご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 脳卒中の退院後、いつからお酒を飲んでよいですか?
明確な「何日後からOK」という基準はありません。
抗血栓薬や降圧薬を飲んでいる方が多いため、まずは主治医に「いつ・どのくらいから飲んでよいか」を直接確認してください。
急性期から数か月は再発リスクが高いため、この期間は完全な禁酒が望ましいとされています。
Q. ノンアルコール飲料は飲んでも大丈夫ですか?
純アルコール度数0.00%のものであれば、脳卒中の再発リスクの観点では問題ありません。
ただし、ノンアルコールビールには「0.5%未満ならノンアル表示できる」製品もあり、本当に0.00%なのかラベル確認が必要です。
また、糖分が多い製品もあるため、糖尿病のある方は1日1〜2本までを目安にしてください。
Q. 加熱式タバコ(IQOS・glo・プルームなど)なら大丈夫ですか?
大丈夫ではありません。
加熱式タバコにもニコチンや有害物質が含まれており、血管への影響は続きます。
2023年に公開された米国心臓協会の科学声明でも、電子タバコ・加熱式タバコは心血管への悪影響が指摘されています(Rose, 2023)。
紙巻きからの移行は禁煙とは見なされません。
Q. 何年禁煙すれば脳卒中リスクは元に戻りますか?
禁煙の効果は数か月で現れはじめ、長く続けるほど非喫煙者に近づきます。
研究によって細かい数字は異なりますが、5〜15年の禁煙でリスクは大きく下がるとされています。
「今からでは遅い」ということはなく、禁煙を始めた瞬間からリスクは下がり始めます。
Q. お酒の付き合いを断れない時はどうすればよいですか?
事前に「脳卒中をしたので主治医から控えるよう言われている」と相手に伝えておくのが一番の対策です。
その場では最初の1杯だけ受け、あとはノンアルコールやお茶に切り替える方法もあります。
「健康のために控えている」と言いやすくなるよう、お薬手帳や担当医からの注意事項を共有しておくと、周囲もすすめにくくなります。
まとめ
- 大量飲酒で脳卒中(特に脳出血)のリスクは1.5倍前後に上がる
- 「少量なら体に良い」説は、最新研究では否定的に見直されている
- 抗血栓薬や降圧薬と飲酒の組み合わせは出血・転倒リスクを大きく上げる
- 喫煙は減らすだけでは不十分で、完全禁煙が再発予防の柱
- 受動喫煙・電子タバコ・加熱式タバコも血管に悪影響を与える
- 禁煙は禁煙外来+薬物療法+生活面の工夫を組み合わせると続きやすい
- 節酒は段階的に量を減らし、休肝日を週3日以上設けるのが現実的
- ご家族のサポートは「責めずに環境を変える」のが基本
次にやるべきこと:お薬手帳を持って主治医・かかりつけ医に相談し、現在の飲酒・喫煙状況と「これからの目標量」を共有してください。禁煙外来や減酒外来はお近くの病院で受診できます。
リハビリの無料体験を実施中!
といった方から選ばれています!
参考文献
- Toubasi AA, et al. Alcohol Use and Types and Ischemic Stroke: A Systematic Review and Meta-Analysis. European Neurology. 2025;88(3-4):140-150. PMID: 40815113
- Wood AM, et al. Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies. Lancet. 2018;391(10129):1513-1523. PMID: 29676281
- Millwood IY, et al. Alcohol intake and cause-specific mortality: conventional and genetic evidence in a prospective cohort study of 512 000 adults in China. Lancet Public Health. 2023;8(12):e956-e967. PMID: 38000378
- Biddinger KJ, et al. Association of Habitual Alcohol Intake With Risk of Cardiovascular Disease. JAMA Network Open. 2022;5(3):e223849. PMID: 35333364
- Dufour L, et al. Hemorrhagic Strokes Attributable to Chronic Alcohol Consumption and Heavy Episodic Drinking in France. Neurology. 2024;102(8):e209228. PMID: 38527250
- Oraii A, et al. Alcohol Intake and Cardiovascular Outcomes in Patients With Atrial Fibrillation: RE-LY AF Registry Analysis. Annals of Noninvasive Electrocardiology. 2025;30(4):e70096. PMID: 40470582
- Pan B, et al. The relationship between smoking and stroke: A meta-analysis. Medicine. 2019;98(12):e14872. PMID: 30896633
- Yao Z, et al. Association Between Cigarette Smoking and Subclinical Markers of Cardiovascular Harm. Journal of the American College of Cardiology. 2025;85(10):1018-1034. PMID: 40074467
- Chang JT, et al. Cigarette Smoking Reduction and Health Risks: A Systematic Review and Meta-analysis. Nicotine & Tobacco Research. 2021;23(4):635-642. PMID: 32803250
- Wu AD, et al. Smoking cessation for secondary prevention of cardiovascular disease. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2022;8(8):CD014936. PMID: 35938889
- Lu R, et al. Secondhand smoke exposure can increase the risk of first ischemic stroke: A 10.7-year prospective cohort study in China. Annals of Epidemiology. 2024;92:25-34. PMID: 38367798
- Kobayashi Y, et al. Secondhand smoke and the risk of incident cardiovascular disease among never-smoking women. Preventive Medicine. 2022;162:107145. PMID: 35803355
- Flor LS, et al. Health effects associated with exposure to secondhand smoke: a Burden of Proof study. Nature Medicine. 2024;30(1):149-167. PMID: 38195750
- Zhao K, et al. Is electronic cigarette use a risk factor for stroke? A systematic review and meta-analysis. Tobacco Induced Diseases. 2022;20:101. PMID: 36447455
- Rose JJ, et al. Cardiopulmonary Impact of Electronic Cigarettes and Vaping Products: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation. 2023;148(8):703-728. PMID: 37458106
- Parikh NS, et al. Electronic Cigarette Use and Cigarette-Smoking Cessation Attempts Among Stroke Survivors in the US. JAMA Neurology. 2021;78(6):759-760. PMID: 33843961
- Parikh NS, et al. Smoking-cessation pharmacotherapy for patients with stroke and TIA: Systematic review. Journal of Clinical Neuroscience. 2020;78:236-241. PMID: 32334957
- Robijn AL, et al. Comparative effect of varenicline and nicotine patches on preventing repeat cardiovascular events. Heart. 2023;109(13):1016-1024. PMID: 36878673
- Govori V, et al. Updated Perspectives on Lifestyle Interventions as Secondary Stroke Prevention Measures: A Narrative Review. Medicina. 2024;60(3):504. PMID: 38541229
- Lin B, et al. Interventions That Support Lifestyle Behavior Change for Secondary Prevention of Stroke: A Scoping Review. Stroke. 2025;56(5):1323-1336. PMID: 40294167
最終更新:2026年5月

